高齢出産の妊婦におすすめの病院と選び方のポイントについて

高齢出産 妊婦 選び方

高齢出産とは、35歳以上で初めて出産する方のことをいいます。

妊娠して喜んだのもつかの間、周りからは「年齢がいくほど出産は大変」「大きな病院にしたほうがいい」と色々言われて悩んだり、不安になったりされたのではないでしょうか。

しかし、35歳を過ぎたからお産は大変になる、心配が大きくなるということはありません。お産はどんな年齢であっても、何があるか分からないものです。

それにプラスして、高齢出産だからこそ気をつけた方が良いことがあります。その前提に立った上で、病院選びをすることが大切です。

今回は、高齢出産される妊婦におすすめの病院や、病院選びのときの注意点などをご紹介します。

この記事を書いた看護師

助産師・看護師jun
Junさん
・大阪府/30代
・正看護師免許
・助産師免許
看護師資格を取得し、その後、助産師資格も取得しました。助産師として働きだし15年以上になり、妊活、子育てで悩むママさんを少しでも看護師・助産師目線でサポートできる記事を執筆していきます。

1.高齢出産の妊婦におすすめの病院の特徴

妊婦と女性医師

まず、高齢出産の妊婦におすすめの病院についてご説明します。

 

(1)施設の環境や医師などのスタッフが揃っている病院

総合病院や大学病院などの大きな病院であれば、最新の医療が受けられ、人員も十分に確保できています。

また、産まれた赤ちゃんに何か治療が必要になっても、小児科医がいて新生児集中治療室(NICU)があれば転院することなく即座に治療を開始できます。

十分な人員と、24時間新生児に対応可能な状況は、緊急事態が発生した際にはとても心強いものとなります。

 

高齢出産は妊娠高血圧症候群の発生率が高まる

高齢出産のリスクとして、妊娠中に血圧が急にあがったり、タンパク尿がおりたり、むくみがでやすくなったりする「妊娠高血圧症候群」の発生率が高くなることがあります。

頻度としては全妊娠の7〜10%、35歳以上になると14〜18%、45歳以降では30%まで上昇します。

これは卵巣機能や血管機能の低下が原因です。

助産師からのポイント

助産師ポイント

他にも、高齢出産の特徴として「早産」や分娩前に胎盤が剥がれてしまう母子ともにリスクの高い「常位胎盤早期剥離」などの発生率が高くなります。

こんなもしもの状況が起きても対応できる、人員と環境の揃った病院を選択されることをおすすめします。

 

(2)自宅から車で30分以内の立地に建つ病院

どんな年代の方でも、妊娠経過が順調であっても急に赤ちゃんやお母さんの命に関わることが起こることがあります。

高齢出産となるとその予測外の事態が起きるリスクが上がります。予測外の事態に備えるには早め早めの対応が大切になるため、車で30分以内の病院を選びましょう。

 

妊娠初期に子宮筋腫が見つかることもある

高齢出産では妊娠初期に子宮筋腫が見つかることもよくあります。小さいものだと心配はいりませんが4cm以上になると影響がでてきます。

妊娠中に筋腫が痛みだしたり、分娩中に陣痛が弱まったりしてしまいます。

急激な痛みがでてきた場合は痛み止めを飲んだり、子宮の収縮を弱める薬を飲んだりします。

こんなときに即座に対応するためにも、車で30分以内の病院を選ぶことをおすすめします。

 

2.高齢出産の妊婦の病院選びで必ず確認することは?

生まれたばかりの赤ちゃんを抱く母親

高齢出産の妊婦が病院を選ぶ際、必ず確認しておきたいことについてご紹介します。

 

(1)お産の方針を医師に確認する

お産についての方針は、医師の考えに強く影響を受けます。例えば、

  • 破水したらすぐに薬を使った誘発分娩をする施設
  • 破水しても感染兆候がなければしばらく自然に様子を見る施設
  • 疲れてきて陣痛が弱くなったら積極的に促進剤を使う施設

などさまざまです。

高齢出産であれば、長時間の分娩は産後の回復に大きな影響がでてきます。

年齢による体力の低下と同じように子宮筋も疲労しやすくなるため、陣痛が弱くなったり(微弱陣痛)、産後の子宮の戻りが悪くなったり(子宮復古不全)するのです。

自然にこだわり体力を消耗するよりも、必要時には積極的に薬を使いお産を進めていくことも必要でしょう。

そのときのお母さんと赤ちゃんの状況を総合的に判断し、最善の方法を医師が選ぶことがお産の方針なのかもしれません。

しかし実際は、施設ごとに考えがあります。どちらが良い・悪いということではなく、自然に待つタイプの施設か、積極的に仕掛けていくタイプの施設か確かめておくことは必要です。

助産師からのポイント

助産師ポイント

個人病院では高齢出産の妊婦が「できるだけ負担なくお産がしたい、無理をしたくない」という要望で、帝王切開に切り替えることもあります。

もちろん、最終的には産後の身体のことを考慮して医師の判断で行われるということは言うまでもありません。

 

(2)小児科との連携はあるのか確認する

前提条件として、大学病院や周産期母子医療センターなどは、必ず新生児集中治療室(NICU)があるため小児科医がいるのかなどの心配はいりません。

 

個人病院やクリニックは搬送が当然である

個人病院やクリニックは、まず小児科医が常勤医として勤務していることはほとんどありません。

高齢出産では、染色体異常(ダウン症など)や葉酸不足が深く関係する先天性異常(二分脊椎など)などの発生率が高くなります。

処置が必要な場合には、個人病院では産科医しかいないため、応急処置を行い即座に搬送の手続きに入ります。

 

小児科があっても新生児の診療をするとは限らない

中規模の総合病院などは小児科があっても、新生児は基本診察しないなど連携がない施設もあります。

私が勤務していた市民病院は、小児科はありましたが、分娩時の立会いなどはなく、緊急時のみ応援を依頼するといった形をとっていました。小児科医の人数が限られていたためです。

そのため、産まれた赤ちゃんに何かあるときは個人病院と同じようにすぐに搬送していました。

お母さんの中には「ここで診てもらえると思っていた」という声も聞かれました。

 

(3)母子同室やミルク補足などの育児の方針を確認する

育児の方針は病院によって違うため、よく確認しておきましょう。

赤ちゃんが産まれたあと、母子同室と言っても色々なパターンがあります。

基本的には赤ちゃんとずっと一緒にいて入院生活を送るパターン、10時ごろから16時ごろまで赤ちゃんと過ごすパターン、0時以降は赤ちゃんを預けるパターンなど病院によって違います。

同じなのは、お母さんが疲れたときは新生児室に赤ちゃんを預けられるということです。

 

入院中は母体疲労の回復を優先する

中には母乳推進が強い病院などで「まだほとんどでないオッパイをでなくても何度も吸わせたほうがいいと強くすすめられた」「疲れていてもできるだけ頑張って一緒にいた方がいいと言われて休めなかった」という話をよく聞きます。

高齢出産では特に、無理せず入院中は母体疲労の回復を優先することが大切です。

少なくても、退院前の数日間はゆっくり夜眠れる病院をおすすめします。

 

(4)出産時のビデオ撮影をしたい場合は可能か確認する

みなさんのなかには「お産中の様子をビデオ撮影したいな」「産まれたらすぐに赤ちゃんをビデオで撮影したいな」などの思いもあるのではないでしょうか。

さらに、高齢出産ということからも、最後になるかもしれない体験を旦那さんがどうしてもビデオに残したいと強い想いをお持ちの方もいるはずです。

個人病院などでは規制なく撮影できるところもあるため、事前の確認が必要です。

今後何度も経験できない貴重な体験を「どうしてもビデオ撮影したい」という希望があるなら、事前に確認してみることをおすすめします。

助産師からのポイント

助産師ポイント

今はお産中のビデオ撮影を禁止している病院が少なくありません。私が勤めていた総合病院でも、10年前は全く規制していませんでしたが、今は産まれた後のビデオ撮影しか許可していません。

ビデオで撮影すると医師や看護スタッフなども映像に入ってしまい、それが外に流されることを防止しているためでしょう。

 

(5)面会制限の規則が厳しくないか確認する

個人病院などは、面会時間や面会者の規則に関しては非常に寛大な施設もたくさんあります。

病院選びのときには、先に確認しておくことをおすすめします。

大きな病院になるほど面会の規則が厳しくなる傾向にある

大きな病院では「高齢出産だから最後になるかもしれないし、旦那さんと自分のお母さんに立ち会ってもらいたいなと思っていたのに、病院の決まりで1人しか立ち会えなかった」ということもあります。

また感染症が流行る時期などは特に、6歳以下の小さな子どもの面会禁止や、両親以外はガラス越しからの面会のみしか許可されていないなどさまざまです。

大きな病院は産科クリニックとは違い、他の診療科の患者さんがいたり、感染予防が必要だったりするため仕方ないことです。

 

まとめ

お産はどんな年齢の方でも、無事に終わるまでは油断できません。高齢出産となるとなおさら慎重になることでしょう。

妊娠経過中も、問題ないと言われ安心していたのに「安定期に入って急に安静が必要になった」など、予想外のことも起こります。これは、若いから安心、年齢が高いから心配ということではありません。

しかし、人は普通に生活していても、年齢を重ねるにつれ、知らない間に身体への負担が大きくなるのは当然のことです。妊婦の身体への負担も同じことが言えます。

それが、疲れやすくなったり、血圧が上がったり、カラダがむくみだしたりという悪い方向に現れてしまうこともあります。

しかし、たくさんの人生経験をした皆さんだからこそ楽しめる妊婦生活、出産、育児もあるはずです。まずは焦らず、自分に合った病院選びから始めて下さい。


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ABOUTこの記事をかいた人

jun

【大阪府/30代/正看護師免許/助産師免許】助産師として働きだし15年以上になりました。読んだ方が、「また明日も頑張ろう」と気持ちを後押しできるような記事が書けるよう、頑張ります。