帝王切開の流れは?赤ちゃん誕生から退院まで

帝王切開

妊婦健診中から「分娩方法が帝王切開である」と決定している妊婦さんは、

  • 妊婦健診でなかなか赤ちゃんの逆子が戻らない
  • 合併症がある
  • 上の子の出産が帝王切開だった

等の場合があり、帝王切開での分娩は年々増加しています。

ここでは、帝王切開の流れについて、分かりやすく説明していきます。

1.帝王切開が決定したら

帝王切開が決定した妊婦

帝王切開の決定後、妊婦健診とは別に「術前検査」を行い「その人が安全に手術を行えるか」「手術前中後に気をつけなければいけないことは何かをあらかじめ把握しておく」などを目的として、出産(帝王切開の当日)の間近に行います。

術前検査を行う

術前検査の内容は、採血(妊婦健診で行われる検査項目とは別に、血液凝固など多くの項目を調べます)・心電図・胸部レントゲン・麻酔科診察などです。

帝王切開はいつに行うか日にちも決定するため、帝王切開を行う日(出産の日)の前日に入院して術前処置を行うところがほとんどです。

2.帝王切開当日の流れ

帝王切開当日の流れを説明する助産師

帝王切開当日の流れは施設によって異なりますが、13時に手術室に入室する例のタイムスケジュールを紹介していきます。

6:00・起床
・スタッフが検温にくる
・赤ちゃんが元気かどうか心音を確認
・この時に絶飲食の確認(21時以降食事はしていないか、飲水の確認等)
6:30・母子ともに元気なことを確認したら、浣腸を行う
・浣腸の後、シャワーを浴びる、体をふいて術衣に着替える(術後は数日シャワーができないため)
10:00・日勤のスタッフが点滴を開始する
・術前の抗生剤を行う(施設による)
12:00・家族の到着を確認する
(帝王切開中は緊急事態が起こったときのために家族の病院での待機をしてもらう)
12:30・術前の検温
・赤ちゃんの心音の確認を行う
12:50・手術室(帝王切開を行う部屋)に移動しはじめる

 

3.帝王切開準備~赤ちゃん誕生までの流れ

帝王切開の準備をする妊婦

手術室に入室してからはまず、麻酔を行い、帝王切開での麻酔は「硬膜外麻酔」「腰椎麻酔」といった腰からの麻酔が選択されます。

帝王切開の準備

帝王切開の麻酔導入時には、妊婦さんはまずベッドの上で横向きになり、自分のお腹を見るような姿勢をとります。(ベッドで横になって体育座りをするようなイメージ)

チクッという感覚の後、腰から麻酔が導入されると、だんだんと腰から下の感覚がなくなり仰向けになります。

麻酔が効いていることを確認できると、帝王切開に向けての準備が始まります。(妊婦さんが帝王切開の術野が見えないように首から上をカーテンで遮り、手術を行うためにお腹の消毒や手術に必要な物品を準備する)

帝王切開開始

基本、赤ちゃんが誕生するまではお母さんは起きたままですが、麻酔が効いているため、もちろん痛みはありません。

手術が進み、いよいよ赤ちゃんが誕生するタイミングになると、場合によってはお母さんのみぞおち辺りを押して狭い子宮の中から赤ちゃんが出てきやすいように手伝います。(この時に押されている感覚を感じるそうです。)

赤ちゃん誕生後

赤ちゃんが誕生してしっかり泣いたことを確認後、おへそを切断してお母さんと面会します。

お母さんは手術台で横になっているため抱っこはできませんが、赤ちゃんの顔をしっかり見ることができ、病院によっては希望があれば写真を撮ることも可能です。

赤ちゃんと面会した後、お母さんには眠ってもらい、帝王切開の縫合・出血がおさまったことを確認すると起きてもらい、帝王切開が終わったことを報告して帰室します。

4.帝王切開後から退院までの流れ

帝王切開後の女性

ここからは、帝王切開後から退院までの流れについて紹介していきます。

帝王切開を行った時間やお母さんの状態、病院の方針によっても大きく異なりますが、大体の例として説明していきます。

帝王切開直後

帝王切開が終了すると、ベッドのまま病棟に戻ります。

部屋に戻るときは、

  • 点滴
  • バルンカテーテル(おしっこの管)
  • 心電図モニター
  • 酸素マスク

を装着していますが、病院によっては、痛みを和らげるために硬膜外麻酔(腰からの麻酔)のチューブをつなげたまま病室に戻る場合もあります。

病室に戻ると、手術後の状態が安定しているか確認するためにスタッフが頻回に訪室し、帝王切開後の状態が安定したことを確認した後、家族と面会をすることができます。

帝王切開で生まれた赤ちゃんについて

帝王切開で生まれた赤ちゃんは、NICU(新生児集中治療室)など設備が整っている大きな病院だと呼吸状態がなど安定するまで、そちらの病棟で様子をみることが多いです。

クリニックでも、帝王切開で生まれた赤ちゃんは状態が安定するまで保育器で様子をみることが多いです。

帝王切開当日

術後の状態が安定するまでは、

  • 傷口、出血量の観察
  • 点滴の交換
  • おしっこの量のチェック

などスタッフが頻回に訪室するため、当日はゆっくり休息とるのは難しいと言われることが多いです。

手術直後は麻酔が効いているため痛みを感じることはほとんどありませんが、時間が経つにつれて麻酔の効果が薄くなってくるため、希望があれば痛み止め(注射、または座薬)を適宜使用します。

帝王切開後1日目

帝王切開後1日目は、朝9時(外来が始まる前)頃までに医師が回診し、その時に状態が良い場合は起き上がって座ったり、バルンカテーテル(おしっこの管)を抜いたり、少しずつ動けるようにスタッフが手伝います。

お母さんが動けるようになってくると、動くことによる痛みもあるため適宜痛み止めを使用して、痛みが落ち着くように努め、お母さんの状態をみながら母乳を与えることや母児同室を行っていきます。

帝王切開の1日目の夕食から食事再開

お母さんの状態が落ち着いていることを確認すると飲食もできるようになるため、帝王切開の1日目の夕食から食事再開となります。

帝王切開後の食事開始時は、流動食と言ってほとんど液体に近い食事が配膳されます。

帝王切開後の赤ちゃんは診察の回数が多い場合もある

帝王切開後の赤ちゃんは、1日目で問題がなければ保育器から出て、自然分娩で出生した赤ちゃんと同じように過ごしますが、病院や施設によっては自然分娩で生まれた赤ちゃんよりも新生児科医や小児科医の診察の回数が多い場合もあります。

帝王切開後2~6日目

帝王切開2~6日目では、毎朝医師の回診があり、お母さんの傷口から出血がないかなど状態をみて消毒をし、ガーゼの交換を行います。

食事は状態をみながら、お粥からだんだん普通の食事になっていきます。

術後5日以降、傷口から出血がない場合にシャワー再開

術後5日目くらいまでは、傷口から出血がないかなど注意してみていくためシャワーはできませんが、温タオルで体を拭くことや病院や施設によっては、スタッフがシャンプーをするところもあります。

術後5日以降に傷口から出血がないことと、お母さんの体調が良いことを確認後、シャワー可能となります。

授乳指導や育児指導を行う

帝王切開2~6日目の期間は、お母さんの疲労や痛みの状態をみながら、授乳指導や育児指導(赤ちゃんのおむつ交換や抱っこ、沐浴など)も行います。

帝王切開後7日目(退院日)

帝王切開では、7日前後に退院をする施設が多く、退院当日(または前日)に退院診察が行われ、医師からの許可があると退院することができます。

今では、ほとんどの施設で体内に吸収されても大丈夫な糸や、ダーマボンド(傷をつける接着剤のようなもの)を使用しているため抜糸は行っておらず、傷がつっぱるなど希望があるときにのみ行うところがほとんどです。

5.帝王切開の出産費用について

帝王切開の出産費用に悩む女性

帝王切開は、自然分娩に比べると出産費用は高いです。

それでは、以下で帝王切開出産にかかる費用、保険や手当等について見てきましょう。

帝王切開の出産費用が高い理由

帝王切開の出産費用が高い理由としては、

  • 使用する点滴や薬剤が多いこと
  • 手術であること
  • 入院期間が長いため部屋代や食事代がその分多くなること

があります。

特に産科では、食事や部屋など自己診療部分(入院中自費で支払わなければならない費用)が高く占めます。

帝王切開では保険が適応される場合もある

帝王切開は自然分娩と違い「異常分娩」「手術」と分類されることから、健康保険が一部適応されることや高額療養費の適応にもなります。

民間の保険に関しても帝王切開が適応され、保険が使用できるところもあります。

6.帝王切開に関するQ&A

帝王切開に関して悩む女性

ここでは、帝王切開に関するよくあるQ&Aについて見ていきましょう。

Q.帝王切開では何日入院するの?

病院や施設によって様々ですが、7日前後であるところが多いようです。

帝王切開の入院日数が長い理由としては、「術後でしっかりと経過を見る必要があるため」「術後の母親がゆっくりと休息して退院してもらうため」等が挙げられます。

Q.帝王切開っていつまで痛いの?

痛みの訴えは人によってさまざまであるため、「いつまで」という具体的には説明できませんが、術後1日目から離床がはじまるため術後当日~2日くらいまでは痛み止めを使用する人が多いです。

3日目以降は痛みも和らいできて、「くしゃみや咳をしたときだけ痛む」「大笑いした時だけ痛む」等、訴えも少なくなります。

Q.帝王切開の後はいつからお風呂に入れるの?

帝王切開後は術後4~5日目頃に状態が良ければシャワー浴が許可されます。

入浴は自然分娩と同じで、産後1か月ごろに行われる産後健診で医師の許可が出たら入浴は可能です。

Q.帝王切開後の傷跡ケアはどうするの?

シャワー浴開始後、ボディタオルを使用してゴシゴシ洗うと出血の原因となるため、傷口のかさぶたもなくなり完全によくなるまでは指で優しく洗うように心がけましょう。

術後の傷は、第2子を帝王切開で出産するときにあらかじめ医師に伝えておくと、傷口を再びきれいに縫合してくれるところもあるため、医師に相談することをお勧めします。

Q.帝王切開の退院後で特に気を付けることは?

帝王切開後の経過が順調であることを確認してから退院をしますが、退院後も傷口の状態・出血・腹痛などに注意しましょう。

傷口から出血はないか、痛みが強くなっていないか、赤くなったりしていないか、等を鏡で確認してください。

Q.帝王切開って何人まで産めるの?

特に制限はありませんが、病院や医師の方針で「3人まで」と言われているところもあるのが現実です。

帝王切開は手術であるため、回数を重ねるほど身体的な負担が増加するためです。

Q.肥満の場合帝王切開にどんなリスクがあるの?

肥満の方が帝王切開を行うとリスクとして、様々なことが考えられ、特に重大なリスクとして考えられるのは「深部静脈血栓症」です。

深部静脈血栓症とは術後に血栓ができ、その血栓によって呼吸困難になるという恐ろしい病気の1つです。


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