フリースタイル分娩とは?メリット・デメリットについて

フリースタイル分娩 とは メリット・デメリット

フリースタイル分娩とは「産婦さんが、自由な体勢で赤ちゃんを産むこと」です。

もし、あなたが「好きな場所で、楽な体勢でお産したい!」という理想をお持ちなら、フリースタイル分娩を考えてみてはいかがでしょうか。

このページでは、フリースタイル分娩について、体勢やメリット・デメリットをご紹介します。

この記事を書いた看護師

助産師・看護師jun
Junさん
・大阪府/30代
・正看護師免許
・助産師免許
看護師資格を取得し、その後、助産師資格も取得しました。助産師として働きだし15年以上になり、妊活、子育てで悩むママさんを少しでも看護師・助産師目線でサポートできる記事を執筆していきます。

1.フリースタイル分娩の体勢について

フリースタイル分娩における代表的な体勢について、いくつかご紹介します。

(1)側臥位

側臥位の妊婦

「側臥位」とは、横向きになることです。横向きのスタイルは、フリースタイル分娩の中でも一番ポピュラーな体勢です。

横向きになれば、腰を押したりさすったりすることも簡単です。

お産を介助する病院側にとっても、分娩台での仰向けの体勢に近くスムーズに介助でき、モニターの装着も問題なくできます。

助産師からのポイント

助産師ポイント

側臥位は、いきみがきたときに力をいれるのが難しい姿勢でもありますが、それは適度の力できばることにより、必要以上の会陰裂傷を予防するというプラスの側面にも働きます。

(2)四つん這い

四つんばいの妊婦

「四つん這い」とは、うつ伏せになることです。

フリースタイル分娩での「四つん這い」は、うつ伏せになり、大きなクッションや付き添いの旦那さんにもたれかかったり、ハイハイするような格好になり、胸をつけ腰を高くしたりなど、色々なパターンがあります。

腰が浮くことで、身体を支える足への負担が大きくなりますが、腰への負担は少なくなりま。また、いきみをかけるときにも、無理なく力を入れることができます。

赤ちゃんが正しい姿勢に回りやすくなる

通常の分娩台での出産でも、赤ちゃんの体勢が悪い時などに四つん這いになることがあります。

つまり、四つん這いは赤ちゃんが正しい姿勢に、自然にくるっと回りやすい体勢でもあるのです。

うつ伏せである分、お腹が見えにくく、モニターの装着は難しいという問題もあります。

(3)座位、立位

座位の出産

「座位、立位」とは、座ったり立ったりすることです。

フリースタイル分娩における座位の場合は、しゃがみこみ、足を広げます。

この姿勢は骨盤が広がりやすく、重力も自然にかかり、赤ちゃんにとってはスムーズに骨盤に入ってきやすい体勢だといえます。

会陰にかかる負担は大きく、分娩が長引くと、会陰がむくんだり出血が多くなったりするなどの問題もでてきます。

立位の場合はつかまるものや高度な技術が必要

立位の場合は、つかまりかかるポールや棒のようなものが必要です。もちろん、旦那さんにもたれかかるというのも良い方法です。

ただし、いきむときには、少し力が入りにくいというデメリットもあります。

2.フリースタイル分娩のメリット

フリースタイル分娩で出産した赤ちゃんと母親

ここでは、フリースタイル分娩を行うメリットについてご紹介します。

(1)体に負担の少ない自然な体勢で産める

フリースタイル分娩の一番のメリットは、お母さんにとって自然な体勢で出産に臨めることです。

はじめに紹介した通り、フリースタイル分娩の体勢について決まりはありません。そのため自然な体勢とは、何も考えなくてもよい、身体に負担のない姿勢のことなのです。

従来の分娩の体位は足がつりやすい?!

分娩台の上で足を広げる従来の分娩の体位であれば、足がつったり股関節が痛くなったりと、慣れない体勢を続けることでの問題がでてきます

フリースタイル分娩は、無理のない、体に優しいスタイルなのです。

(2)家族みんなで出産体験を共有しやすい

立ち会い出産

フリースタイル分娩によって日常に近い雰囲気の中でのお産となり、一緒に出産に臨む家族にとっても理想的な環境となることもメリットのひとつです。

父親となる旦那さんはもちろん、赤ちゃんの兄弟となる子どもたちにとっても、出産に参加したという体験は非常に大きな収穫になるはずです。

通常の分娩では子どもたちが怖がってしまう

私の経験では、分娩台の上で、普段とは違う姿で痛みに耐えるお母さんの姿に怖がり、途中で立会いをやめてしまう子どもたちが多くいました。

一方で、お母さんがリラックスした状態でのフリースタイル分娩は、家族みんなでお産に臨め、価値のある貴重な経験になるはずです。

(3)陣痛の痛みにも、強い気持ちで向き合える

自然な体勢は「自分の力でお産に臨むんだ!」という産婦さんの気持ちを前向きにもしてくれるということが、フリースタイル分娩の利点でもあります。

前向きな気持ちと一緒に精神的なリラックスも得られ、精神的にリラックスできれば、痛みに対する感受性も鈍くなります

痛みへの反応が鈍くなれば、どんどん強くなる陣痛の痛みにも、強い気持ちで向き合えるはずです。

仰向けでの出産は受け身になりがちである

分娩台の上での仰向けになる出産は、受け身になりがちなスタイルです。

「医師や助産師に任せておけば、どうにかしてもらえる」というように考えてしまう産婦さんもいます。

しかし、本来医療者の仕事はお母さんの産む力をサポートすることであり、必要なのは、出産へのお母さんの前向きな気持ちです。

3.フリースタイル分娩のデメリット

不安に感じるフリースタイル分娩を行う妊婦

自然な体勢で出産できるフリースタイル分娩ですが、一方でデメリットも存在します。以下で詳しくご説明します。

(1)異常事態に気付きにくいことがある

フリースタイル分娩では、赤ちゃんの心音を聴取するモニターの装着時間が短くなるということが、異常事態に気付きにくくなるというデメリットにつながります。

モニターを装着することで、分娩中に持続的に心音を聴き、赤ちゃんからの「しんどい!助けて!」のサインをキャッチしやすい状況がつくれます。

分娩台の上であればモニターの装着も難しくはありませんが、自然な体勢でいるフリースタイル分娩だと持続的な機械の装着はハードルが上がります。

モニターを装着できない時の対策は?

フリースタイル分娩では、モニターを装着できない際には

  • 頻回にドップラー(小型の心音を聴ける機械)で赤ちゃんの心音を聴く
  • 配線のない無線のモニターを装着する

などの対策をして、異常事態に気付けるようにします。

それでも、持続的なモニター管理と同じレベルまでは届きません。産婦自身が、心音聴取の大切さを理解しておくことも重要です。

(2)異常事態に対処しにくい

異常事態が分かりにくければ、異常事態への対応も必然的に遅くなってしまうこともフリースタイル分娩のデメリットです。

フリースタイル分娩では、赤ちゃんの「しんどい!助けて!」のサインをキャッチした後も、体勢を整える時間のロスが出てくるため即座に対応できないこともあるのです。

分娩台の上であれば、必要時には即座に赤ちゃんを助けるために、吸引分娩したり鉗子分娩したりして、お産を終えることができます。

「出血が増えてきた」「破水したかも」などの変化にも、即座に内診し、必要な処置をとることもできます。

(3)お産が長引いてしまうことがある

一般的には、フリースタイル分娩での自然な体勢は無理なくお産が進行しやすいと考えられます。

しかし、分娩台での出産とは違い、産婦さん自身の強い気持ちがなければ続けられないケースも出てくるということが、フリースタイル分娩におけるマイナス面です。

不安な気持ちに押しつぶされて悪循環に陥ることも

「何で自分だけこんなに進まないんだろう」「ちゃんと産めるのかな」など、不安な気持ちに押しつぶされてしまう方もいます。

そうなるとどんどん悪循環に陥ってしまい、お産が進まない、長引いてしまう、といった事態は避けられなくなります。

4.「自分の力で産みたい」妊婦にはおすすめ

フリースタイル分娩を行う笑顔の妊婦

フリースタイル分娩がおすすめなのは、「自分の力で産むんだ!」という強い気持ちがある妊婦です。

フリースタイル分娩は通常の決まった体勢とは違い、自分が動きたいときに動き、横になりたくなれば横になります。

一見簡単なようですが、自分の好きなように、自分の楽なようにというのはなかなか難しいものです。

最善と感じる体勢を自分で導き出す必要がある

フリースタイル分娩では、誰かに「こうして、ああして、力を入れて」など、誘導してもらうことはありません。

自分の気持ちに問いかけ、自分で答えをだしながら、そのときに最善だと感じる体勢で出産します。

そのために大切なのは「自分の力で産むんだ!」と言う、強い気持ちです。

5.フリースタイル分娩がおすすめできない妊婦

フリースタイル分娩を禁止する女性看護師

フリースタイル分娩をおすすめしない妊婦の特徴についてご紹介します。

(1)赤ちゃんが小さ目だと言われている

赤ちゃんが小さめだと言われている場合、通常での分娩を考えた方が良いでしょう。

フリースタイル分娩は、赤ちゃんが小さい場合、赤ちゃんに過度に負担をかけてしまうこともあります。

念には念を入れ、小さめな赤ちゃんの場合はフリースタイル分娩を避けるべきです。

(2)過去に異常分娩を経験している

過去に異常分娩を経験している妊婦は、フリースタイル分娩を避けたほうが良いでしょう。

確率の問題ですが、過去の出産で

  • 血圧が高い
  • 出血が止まらない
  • 赤ちゃんの肩がでにくい

などの異常事態が起きていれば、今回も起きるリスクは高くなります。

こんな場合は無理せず、即座に医療処置が行える分娩台での出産を選ぶべきでしょう。

(3)高齢初産婦

これも確率の問題ですが、35歳以上で初めての出産はお産で良くない事態が起きるリスクが高くなるため、フリースタイル分娩を避けたほうが良いでしょう。

無理は禁物です。あらゆる事態に備え、即座に医療介入ができる分娩台での出産を選ぶべきではないでしょうか。

「誰よりも、自己管理して頑張っている」という強い気持ちをお持ちの方は、主治医に相談してみて下さい。

6.フリースタイル分娩ができる病院を探すには

フリースタイル分娩ができる病院をPCで探す妊婦

フリースタイル分娩ができる病院を探す方法についてご説明します。

(1)ネットで検索する

フリースタイル分娩ができる病院を探すために、まずはネットで検索することをお勧めします。「フリースタイル」という言い方の他にも、

  • 「アクティブバース」
  • 「院内助産」

などの名前で、フリースタイル分娩と同じような出産スタイルのお産を取り扱っている場合もあります。

ネット検索でひっかかれば、気になる病院をいくつかピックアップしてみて下さい。

(2)電話で問い合わせ、見学する

上記でピックアップした病院から電話をかけ、実際に足を運んで見学することが大切です。

病院を見学する際には、

  • フリースタイル分娩はどこでするのか
  • 環境はどんなふうになっているのか

などを、自分の目で確認して下さい。

病院を探す際の注意点

フリースタイル分娩を選ぶときには、医師と助産師の連携方法が十分なものなのか、しっかり確認しておいて下さい。

医師と助産師の連携により、

  • すぐに医師に連絡を取れる
  • 医師が院内にいる
  • 病院への連携も十分である

という上記のような緊急事態への備えができているかが重要なポイントです。

まとめ

フリースタイル分娩は、自分の好きな姿勢で、自分が産むのだという強い気持ちが大事です。

家族と一緒にお産を共有できる、フリースタイル分娩ならではのメリットがある一方、医療処置がしにくいなどのデメリットもあります。

どちらも理解した上で自分の理想のお産を選べると良いでしょう。


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jun

【大阪府/30代/正看護師免許/助産師免許】助産師として働きだし15年以上になりました。読んだ方が、「また明日も頑張ろう」と気持ちを後押しできるような記事が書けるよう、頑張ります。