ソフロロジー式分娩法とは、イメージトレーニングによるリラックスや呼吸法を利用し、陣痛の痛みを感じながら前向きに出産に取り組んでいく分娩方法です。
1980年代になり「麻酔をしなくても陣痛を緩和できる分娩法」として、フランスより日本に伝わりました。
今回は、ソフロロジー式分娩法の効果と病院の探し方などについてまとめてみました。参考になれば嬉しいです。
1.ソフロロジー式分娩法の効果は?痛みはとれるの?

ソフロロジー式分娩法では、お産の始まりから終わりまで息を止めることはありません。
「息を吸い、お腹の中にいる赤ちゃんをイメージしながら酸素を送り届けてあげる。酸素をもらった赤ちゃんはピンク色の元気な姿をしている」
こんなふうに意識的にイメージトレーニングを続けることで、リラックスして出産に臨めるように変わっていきます。
痛みの閾値が挙がり痛みを感じにくくなる
ソフロロジー式分娩法を行うと、少しずつ痛みの閾値も上がっていくのです。痛みの閾値が上がると、強く激しい痛みでも「痛いと感じにくくなる」と言うことですね。
つまり、痛みがとれるのではなく「痛みを感じにくくなる」「我慢強くなる」と言い換えると分かりやすいのではないでしょうか。
赤ちゃんがストレス知らずで誕生できる
先ほども説明したように、息を止めず、リラックスしながらの分娩がソフロロジー式分娩法です。
ただでさえ産道と言う狭い道を通りながら進んで来る赤ちゃん。その狭い道に酸素がないと考えると、お母さんが息を止めないことがどれだけ大切か想像できるのではないでしょうか。
会陰が伸びやすくなる
お産当日、赤ちゃんの頭が出たり入ったり(排臨)を繰り返す中で、会陰は少しずつ伸びていきます。しかし残念ながら赤ちゃんがでてくるときには、会陰部が裂けてしまうことがよくあります。
ただ、この時間にお母さんがソフロロジーによってリラックスできれいてれば、会陰は伸びやすくなり、会陰が避けてしまうリスクを減らすことができるのです(※会陰も筋肉であるため、リラックスしていれば伸びやすくなるのです)。
2.ソフロロジー式分娩法の注意点

ソフロロジー式分娩のイメージトレーニングとしては、元気な赤ちゃんが産まれてきた様子や、赤ちゃんを見ながら幸せそうにしている自分を想像し、意識的にリラックスできるようにします。
そのため、日常的に音楽を流しながら、リラックスと呼吸法の練習が必要になり、当然これはくり返し練習しないとできないものです。
正しく取り入れている病院が少ない
これまでお話ししてきた通り、ソフロロジー式分娩室法でのお産にはお母さんのトレーニングが必要です。同じように、実施する側のスタッフにもしっかりとした技術や知識が必要です。
ホームページなどにソフロロジー式分娩法だと記載があっても、実際は呼吸法の一部だけ取り入れていたり、音楽だけ利用したりしている施設がたくさんあるのも事実です。
必ず効果がでるとは限らない
「わたしは痛みに弱いからソフロロジー式分娩法でリラックスしながら産む」と決心し、日常的に音楽を流しイメージを繰り返してきたとしても、思うように進めないお産もあります。
難産になるには、お母さんがリラックスできていないことだけが原因ではないからです。赤ちゃんが大きい、血圧が急に上がるなど不可抗力による原因もあるからですね。
3.ソフロロジー式分娩法ができる病院の探し方

最後に、ソフロロジー式分娩法ができる病院を探す方法をご紹介します。
日本ソフロロジー法研究会のホームページから探す
日本で唯一、ソフロロジー式分娩法の理論に基づき実施しているのが「日本ソフロロジー法研究会」です。
この研究会の研修に参加し、技術を習得したと認められた施設は全国で約200施設あります。日本ソフロロジー法研究会の公式サイトから、近くにある認定施設を探してみて下さい。
ソフロロジーの教室がある施設へ問い合わせる
ソフロロジー式分娩法を取り入れている施設では、ソフロロジーの教室や音楽を提供するなどさまざまな取り組みを行っています。自宅近くで認定施設を見つけたら、実際に問い合わせしてみることをお勧めします。実際に教室に参加してみて、自分の思い描いている分娩方法なのか確認してみることが大切ですね。
まとめ
お産が近づいてくると、楽しみよりも不安や恐怖が強くなる日もあります。そんな日は無理に前向きに考えたり、そんな自分を否定したりせず受け入れることも大切ですね。ソフロロジー式分娩法に取り組むことは、不安な気持ちを前向きに変えていくことにもつながります。
日頃から音楽を聴き、リラックスできるイメージと呼吸法の練習を続けてきたこと。これは、元気な赤ちゃんに出逢うまでの長い道のりを乗り越える、皆さんの大きな強みになるはずです。頑張って下さい。
ナース・ティーチャーの記事があなたのプラスになれば、シェアお願いします。
最新情報をお届けします
Twitter でフォローしよう!
Follow @nurse_teache