哺乳瓶選びでの乳首の種類は、非常にたくさんあります。
私は、小児病棟や産院で看護師として働くまで、哺乳瓶の乳首に多くの種類があることを知りませんでした。働いてから知りえた情報などを踏まえ、今回は皆さんに、哺乳瓶の乳首サイズの選び方と、各サイズの特徴や、乳首を使った薬の飲ませ方をお伝えしていきます。
【目次】
1.哺乳瓶の乳首のサイズ別特徴について

哺乳瓶の乳首には、ミルクを飲むための穴が開いています。一般的によく知られているものが、丸穴で、サイズとしてはSSサイズからLサイズまであります。
丸穴は、哺乳瓶を傾けると自然とミルクが出てきます。
サイズの選び方ついては、赤ちゃんの成長やミルクの飲み具合で変わってきます。
「丸穴」以外にも他にも、クロスカット(X)やスリーカット(Y)といった特殊な形をしているものがあります。
これらの乳首は、赤ちゃんの吸い付き方によってミルクの出てくる量が変わってきます。
哺乳瓶の乳首の穴の形について説明してきましたが、乳首そのものの素材にも違いもあります。
- 茶色っぽい色をしたゴム製のもの
- やや透明に近いシリコン製のもの
などがあります。こちらも、赤ちゃんの成長に合わせて使用していきますが、哺乳瓶の乳首の素材には、赤ちゃんの好みもあるので色々試してみるのもいいかもしれません。
これらの点を踏まえて、どの哺乳瓶の乳首が、どのくらいの月齢の赤ちゃんに適しているのかを説明していきます。
2.SSサイズ乳首は生後0~1ヶ月の赤ちゃんにおすすめ
画像引用元:amazon.co.jp
SSサイズは、生まれたばかりの赤ちゃんで、ミルクを飲む力が弱い赤ちゃんにおすすめです。
よって生後0~1ヶ月位までの赤ちゃんに使用していくとよいでしょう。
哺乳瓶の乳首の穴が大きいと赤ちゃんはむせ込んでしまう
哺乳瓶の乳首の穴が大きいと、ミルクが沢山出てきてしまい、赤ちゃんがむせ込んでしまいます。
むせ込んでしまう場合は、赤ちゃんにとってとても苦しい状態です。生まれたばかりの赤ちゃんや、小さく生れてきた赤ちゃんは、ミルクをうまく飲むことが出来ないので、ミルクが少しずつ出てくるサイズを選ぶ必要があります。

看護師ポイント
小さく生まれてきた赤ちゃん(2500g以下などの低出生体重児)は、飲む力が非常に弱いのでSSサイズを利用する必要もあります。
3.Sサイズ乳首は生後1~3ヶ月の赤ちゃんにおすすめ
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Sサイズは、SSサイズでむせ込むことなく、上手に飲めるようになってきた赤ちゃんが使うことが多いです。
よって生後1~3ヶ月位までの赤ちゃんに使用していくとよいでしょう。
赤ちゃんには、初めからSサイズを使う子もいます
1~3か月位の赤ちゃんに使用することをお勧めしますが、なかには生まれたばかりの赤ちゃんであっても、Sサイズでむせることがなく、上手にミルクを飲める子もいます。

看護師ポイント
比較的大きく生れてきた赤ちゃん(3000g以上)であれば、Sサイズの乳首でスタートしてもいいかもしれません。
4.Mサイズ乳首は生後3~6ヶ月の赤ちゃんがおすすめ

画像引用元:amazon.co.jp
哺乳力が安定してきた赤ちゃんに使用するといいでしょう。生後3~6ヶ月位の赤ちゃんにおすすめです。
小さいサイズだと飲むのに時間がかかる赤ちゃんもいる
ミルクを飲む時間がかかってしまうと赤ちゃんがぐずって泣いてしまうこともあります。Sサイズを使用してみて、ミルクを飲む時間が長くかかってしまい、赤ちゃんがぐずってしまうような時は、こちらのMサイズに変更してあげて下さい。
赤ちゃんは、ミルクを飲むにも体力を使います。ミルクを飲む時間が長くなればなるほど疲れてしますので、その点も頭に入れておいて下さい。

看護師ポイント
Mサイズの乳首の場合の注意点としては、ミルクは、おおよそ長くても20分位で飲み終わるように調整してあげることが大切ですが、ミルクを飲むのに30分以上かかってしまうようなことがあれば、乳首の穴のサイズを変更してあげる必要があります。
5.Lサイズ乳首は生後6ヶ月以降の赤ちゃんにおすすめ
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Mサイズ使用の中でも述べてきたように、Mサイズを使用してミルクを摂取する時間が長くなってしまうような時は、Lサイズに変更してみて下さい。
おすすめの時期としては、生後6か月以降の赤ちゃんです。
6か月頃は、離乳食も始めていく時期でもあり、口の動きも変わってくるようになります。より、多くのミルクを飲むようにもなるので、Lサイズの乳首を使うと一度の吸い付きでたくさんのミルクが出るので、ミルクを飲む時間も短縮されていきます。
6.クロスカット(X)・スリーカット(Y )乳首がおすすめの赤ちゃん
クロスカット(X)・スリーカット(Y )の乳首は、赤ちゃんの吸い付き方によってミルクの出てくる量が変わってきます。
これらの乳首は、ある程度哺乳力が安定してきてからでないと、ミルクを上手く飲むことできません。よって、生まれたばかりの赤ちゃんには、適していません。
2~3か月以降の赤ちゃんで哺乳力が安定してきた赤ちゃんに試してみるといいかもしれません。
哺乳力があれば長期間使用できる点が利点
これらの乳首は、赤ちゃんの哺乳力によって出てくるミルクの量が変わってくるので、長期間使用できる利点があります。
クロスカット(X)・スリーカット(Y)をについて比べると、クロスカット(X)の方が、ミルクが多く出てきます。クロスカット(X)でミルクで口の中で溢れてしまうようなことがあれば、スリーカット(Y)に変更してみてもいいかもしれません。
7.哺乳瓶のゴム製乳首とシリコン製乳首の違いについて

哺乳瓶の乳首には、作られる素材にも種類があります。私は、今まで2種類の素材の乳首を使用してきましたが、これらは、赤ちゃんの好みで分けられることが多い印象があります。
違い | ゴム製 | シリコン製 |
性状 | 柔らかい | 硬い |
臭い | ゴムの臭いがする | 無臭 |
価格 | 比較的安い | 高価 |
ゴム製乳首は、柔らかい性状であり、赤ちゃんの哺乳力が弱くてもミルクが飲みやすい特徴があります。
シリコン製は、ゴム製に比べ硬さがあります。そのため、哺乳力がある程度ないと、うまくミルクを吸うことが出来ません。生まれたばかりの赤ちゃんや、小さく生れてきた赤ちゃんには、ゴム製の方をおすすめします。
赤ちゃんの好みも優先して考えると良い
乳首の素材で好みがあると述べてきたように、中には、ある程度成長し哺乳力の安定した赤ちゃんでも、ゴム製の乳首でないと絶対にミルクを飲まない赤ちゃんもいました。
素材の特徴を考えるだけではなく、赤ちゃんの好みも優先してあげて下さい。
8.薬を飲むときにも哺乳瓶の乳首は利用できる

哺乳瓶は赤ちゃんが薬を飲む時にも使用することが出来るのです。
赤ちゃんは大人と違って薬を嫌がることが多く、上手く薬を飲むことができません。
赤ちゃんは、粉薬やシロップが処方されることが多いと思いますが、どうやって飲ませたらいいのか悩んでしまうママもいるかもしれません。そんな時は、普段使い慣れている乳首を使うことで上手に薬が飲める赤ちゃんもいます。ここで、乳首を使った薬の飲み方について説明していきます。
乳首を使った赤ちゃんへの薬の飲ませ方について
1.処方された薬を小さなカップに入れます。

2.粉薬の場合は、カップの中に1ml位の少量の水を入れます。
シロップの場合は、飲ませる量を準備します。
※この時、100円ショップなどに売っているスポイトを使用し水を準備すると便利です。

1mlの水というのは、少量で薬を飲むために明記しました。少ない量であれば赤ちゃんにとっての負担が少なくなります。
3.普段使用している乳首を赤ちゃんの口にくわえさせます。

4.カップに入っている水に溶けた薬、または準備したシロップを赤ちゃんが加えた乳首の中に少しずつ入れます。
この時も、スポイトで薬を吸い上げ、乳首の中に入れると便利です。
5.ミルクを飲む時と同じように薬を上手に飲めます。
このように、薬を飲む時に乳首を使うことができます。

看護師ポイント
薬を飲ませるのに困った時は、この方法を参考にしてみて下さい。私は、病院で赤ちゃんが薬を飲む時に、この方法を実施していますが、失敗したケースはありませんでした。
9.まとめ
このように、赤ちゃんの発達段階や哺乳状況や好みに合わせて乳首の穴のサイズや、形、素材など選択していく必要があります。一概に、全ての赤ちゃんがこれらの説明通りにはならないので、参考までにして下さい。
また、メーカーによっても乳首に違いもあるので、購入する時、そのメーカーの特徴も調べてみて下さいね。
乳首は薬を飲ませる時にも使用出来るので、もし薬を飲ませるのに困った時は、乳首を使ってトライしてみて下さい。赤ちゃんの成長ともに、ママも勉強し楽しく子育てしていって下さいね。
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