乳腺炎を予防できる「食事」と「授乳方法」について

乳腺炎 予防 食事

授乳中のお母さんにとって心配な乳腺炎は、痛くてたまらず悪化すると本当に大変な思いをすることになってしまいます。

だからこそ、一度乳腺炎になってしまった経験がある人もそうでない人も、日頃からご自身の出来る範囲で予防をしていってほしいものです。

そこでこのページでは、すぐにでも始められる乳腺炎予防の食事と授乳方法について詳しくお伝えしていきます。

1.乳腺炎を悪化させるとどうなるの?

乳腺炎を起こして胸を押さえる女性

乳腺炎は、最初は「ちょっと痛いな」と感じる程度だったものが数時間で熱も赤みも増して、少し乳房に触っただけでもかなりの激痛に変わっていきます。

そのまま乳腺炎が悪化していくとどんな症状になるのでしょうか。以下で詳しくご説明します。

(1)うっ滞性乳腺炎になる

うっ滞性乳腺炎は、母乳の分泌が盛んになり始めた出産後2、3日頃のお母さんに多い乳腺炎で、一般的には「うつ乳」とも呼ばれています。

乳腺の一部の流れが悪くなり、滞った母乳が乳管を詰まらせてしまうことで乳腺が腫れて乳房が赤みを帯びて硬くしこりになり、熱っぽさと痛みを伴う状態です。

  • 乳管の開きが悪い
  • 赤ちゃんが十分に吸えていない
  • 乳頭亀裂や陥没乳頭

などの状況でこのうっ帯性乳腺炎が起こりやすいです。

産科の経験の中では、特に授乳慣れしていない初産のお母さんに多く見られました。

昼夜問わずに出る症状なので、赤ちゃんが眠っても自分は痛くて眠れないといったお母さん方もいました。

(2)うっ滞性乳腺炎をきっかけに化膿性乳腺炎となることも

化膿性乳腺炎は、授乳中に赤ちゃんが乳頭を傷つけてしまい、その傷から細菌感染を起こしてしまった状態で、うっ滞性乳腺炎がきっかけで起こることが多いです。

この場合、悪寒と高熱(38度以上)が出るため、病院への受診が必要です。その際は授乳を中止し、抗生剤の投与などの治療を行います。

さらに進行すると乳輪下膿瘍へ

そしてこの化膿性乳腺炎がさらに進行すると乳輪下膿瘍となります。これは乳輪の下に膿が溜まってしまう乳腺炎です。

こうなってしまうと、切開をして排膿し洗浄することが必要です。

2.乳腺炎が予防できる食事について

乳腺炎予防のための和食
「乳腺炎予防と食事に何の関連性があるの?」と思われる方もいるかもしれませんが、実は大アリなのです。

(1)食事と乳腺炎の関係は?

世界保健機構(WHO)は、「高塩分・高脂肪分の食事は乳腺炎の可能性を高めるという点も含めて、食べ物が乳腺炎に関係していると考えられているが、根拠ははっきりしていない」と言っています。

関係性ははっきりしていなくても、実際に産科の現場で乳腺炎の方のケアをし、私自身の乳腺炎の経験を通して考えると、神経質にならないまでも乳腺炎予防のために食事に気を配ることは大切だと言えます。

母乳は血液からできているため、高脂肪や高カロリーの食べ物を摂り過ぎると血液と同じく母乳もドロドロとなり、詰まりやすくなると考えられるからです。

(2)乳腺炎予防に食材、気を付けたい食材

予防に良い食材白米(体のエネルギーとなる炭水化物、母乳の質を良くする)
大豆製品(納豆、豆腐、味噌など)
根菜類(大根、人参、ごぼうなど)
たんぱく質(鶏ささみ、肉の赤身、白身魚など)
気を付けたい食材揚げ物
脂分の多い肉
甘いもの(特に洋菓子類)

大豆製品や根菜類は体を温める効果があり血流を良くしてくれます。

また良質なたんぱく質は、母乳のもとになる血液が作られるために必要な栄養素の1つです。

(3)乳腺炎予防におすすめのメニュー

乳腺炎予防におすすめのメニューは、産科の指導時に実食してもらったり、私自身が作っていたりした一例です。以下でご紹介します。

和食

洋食はどうしても油脂が多くなりがちです。バターを多く使うパンより、白米中心の和食メニューがおすすめです。

おかずの調理法も、油をあまり使わないホイル焼きや煮物などが良いでしょう。味付けはなるべく薄味を心がけましょう。

温かい汁物

温かい汁物は血行を良くし、母乳の出にも効果的です。

ごぼうや大根、芋などを入れた根菜の味噌汁、具だくさんの雑炊、白身魚や豆腐、野菜がたっぷり入った鍋などもおすすめのメニューです。

和菓子

授乳中はとにかくお腹が空くものです。3食以外におやつを食べたい方も多いでしょう。

バターたっぷりの甘い洋菓子より、和菓子の方が脂分や糖分が控えめなので、どうしても食べたくなった場合は意識して和菓子を選ぶと良いでしょう。

看護師からのポイント

看護師ポイント

もちろん肉や洋菓子を避ければ乳腺炎のリスクは減るかも知れませんが、食べたくなる時もあるでしょう。

その場合は量をしっかりと決めて摂り過ぎないようにすることが大切です。

3.乳腺炎が予防できる授乳方法

乳腺炎予防のための授乳をする母親と赤ちゃん

乳腺炎にならないためには、授乳方法を工夫することも大切です。

実際に産科で多くのお母さんにお伝えしていた方法で私自身も実践済みの、乳腺炎が予防できるポイントをご紹介します。

(1)色々な角度から授乳する

授乳は横抱き、たて抱き、脇抱きなど色々な角度から行うことができます。

同じ角度からばかりの授乳では乳管からの母乳の出も偏ってしまい、母乳が乳房の中で詰まってきます。

左右交互にまんべんなく飲ませる

詰まって硬くなってしまった乳房では赤ちゃんは飲みにくく、お母さん自身もとても痛みを感じます。

1回の授乳の中で抱き方を色々と変えて、左右交互にまんべんなく飲ませるようにしましょう。

母乳が溜まり硬い部分がある場合

もし乳房に母乳が溜まり硬い部分がある場合は、その部分を軽く押しながら授乳を行うことをおすすめします。

こうすると押している部分の乳管から先に母乳が出やすくなり、途端に楽になるお母さんも多い効果抜群の方法です。

(2)授乳間隔を空け過ぎない

授乳間隔が空き過ぎると、母乳が溜まって乳房が硬くなり詰まりの原因になります。

仕事や外出、赤ちゃんの状況でどうしても授乳間隔が空いてしまう場合は搾乳を行うと良いでしょう。

(3)搾乳をやり過ぎない

ただし、搾乳する場合はやり過ぎに注意が必要です。

搾乳をやり過ぎて空っぽにしてしまうとさらに母乳の分泌が過剰になります。するとますます母乳が溜まり、逆に乳腺炎を起こしやすくなります。

看護師からのポイント

看護師ポイント

張って痛い乳房が少しだけ楽になる程度の搾乳にしておきましょう。

搾乳して硬かった部分が減り、乳房を手で揺すってみて少し可動性が出るくらいの状態で留めておくのがポイントです。

まとめ

とても辛い乳腺炎ですが、上記でご紹介したように予防策もあります。

そして自分だけで何とかしようとせずに、母乳外来などでしっかりと専門家に診てもらい指導を受けることも大切です。

出来る予防策をしっかりして授乳ライフを楽しみましょう。


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ABOUTこの記事をかいた人

ジュプン

三児の男の子の母と看護師の両立に奮闘しながら総合病院の看護師として勤め、その勤務経験は10年以上。看護師と出産・育児との両立経験を生かし、皆さんが知りたいという内容を分かりやすくお届けしたいと思います。