生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ歯が生えておらずピンク色の歯茎がとてもかわいらしいですね。
そんなかわいらしい赤ちゃんでも成長に伴い歯が生えてくると虫歯が気になります。歯を磨くといっても嫌がったり、うまくできなくて困ってしまう母親もいるでしょう。
そこで今回は、赤ちゃんに優しい口腔ケアについてまとめてみます。
【目次】
1.赤ちゃんは何でも口で物を確認する

生後まもなくすると、赤ちゃんは偶然自分の手を見つけてママのおっぱいを吸うように手をくわえるようになります。そのうちそれは指しゃぶりに代わり、おもちゃを掴めるようになると、何でも口に入れるようになります。
赤ちゃんは日々成長していきますが、その中でも発達が早いのが舌や唇なのです。誰から教えてもらったわけでもないのに、上手にママのおっぱいを飲めるのもその為です。
一番発達しているお口に物を運んでは、舐めてみたり、くわえてみたりしては
- 「これは何なんだろう?」
- 「これはあまりおいしくないな」
というように、物を認識したり、確認しているのです。
2.乳歯の虫歯が永久歯にも影響するって知ってた?

子供の歯は成長とともに永久歯に生え変わります。そのため、小さい頃は虫歯があってもいいと思っている母親も少なくありません。
しかし、乳歯の下ではすでに永久歯が待ちかまえており、虫歯の影響でその永久歯が溶けてしまったり、正常に生えてこなくなったりすることもあるのです。
小さなころから歯磨きの習慣をつけよう
生まれたばかりの赤ちゃんのほとんどは、まだ歯が生えていません。離乳食がはじまる前の栄養源は母乳ですから、赤ちゃん自身の唾液で十分お口の中はきれいになります。
しかし、いずれ永久歯に生え変わると、その後はもう歯が生え変わることはありません。
そのため、小さな頃から虫歯に注意して歯磨きをすることを習慣づけておくことが大切なのです。
赤ちゃんが歯磨きをはじめるタイミングとは
だいたい6ヶ月頃になり離乳食を開始する時期になると前歯から歯が生え始めます。
歯が生えた時期がまさに歯磨きをはじめるタイミングです。
3.歯が生える前から歯磨き練習!楽しくスキンシップを

赤ちゃんは何でもお口に入れて確認しますが、確認した結果「これは嫌だ」と思うものもあります。
特に歯磨きは嫌われてしまうことが多く、寝返りが上手にできるようになり、ずりばいやはいはいができるようになってくると、赤ちゃんも必死で歯磨きから逃げようとします。そんな嫌われやすい歯磨きを、親子のスキンシップを兼ねながら楽しく行なう方法をご紹介したいと思います。
母親とのスキンシップ、コミュニケーションのひとつとして歯が生える前からお口に物を入れることに慣れていくことで、歯磨きを受け入れやすくなります。また、最初のうち母親」が歯磨きをしますが、成長するにつれて自分で歯磨きをするようになります。
母親や兄弟の真似をしながら興味を持てるよう関わることも自分で歯磨きをするという習慣につながります。
(1)歯が生える前の時期の歯磨きについて
この時期は、赤ちゃんとママのスキンシップを通してお口に触れることに慣れていきます。たとえば、指で唇を触れたり、湿らせたガーゼを指に巻いてお口の中を軽く拭き取ってみます。
また、おもちゃを握れるようになってきたら、握りやすくてのどの奥まで入らない構造のおもちゃを用意して、自分の手、指以外のものをお口の中に入れることに慣れさせます。
(2)鏡をみながら歯磨きを行う
歯磨きのたびに大泣きしてしまうので、可哀想で歯磨きができないというママと赤ちゃんが鏡を使って歯磨きを克服することができました。ママの膝に赤ちゃんを立てに抱っこした状態で、赤ちゃんが自分の映る鏡が見えるようにしながら歯磨きをしました。すると今まで歯ブラシを持つだけで警戒した様子を見せていた赤ちゃんが、じっと鏡を見ながら大人しく歯磨きをすることができたのです。
この赤ちゃんは、何をされているのかわからない不安や恐怖があったため歯磨きを嫌がっていたのかもしれません。
(3)母親が歯磨きのお手本になる
鏡を使う方法と似た効果があったのは、ママが歯磨きをしている様子を見せることでした。ママの口の中が泡でいっぱいになっているのを笑って見ていた赤ちゃんでしたが、そのうちママが使っている物(歯ブラシ)とママが自分のお口を見るときに使っている物が同じだと気付き興味を持つようになったのです。
その赤ちゃんは1歳を過ぎた頃にはママの歯磨きの仕方を真似して、腰に手をあてて歯磨きをするようになっていました。
4.赤ちゃんに歯磨き粉は付けなくてもよい

私たちは歯を磨く際に歯磨き粉を使用しますが、赤ちゃんや小さな子供の場合は使用しなくてもよいです。
これは私たち大人にも言えることですが、歯磨き粉を使用して歯を磨くと歯磨き粉の効果でお口の中はスッキリした感覚になりますが、実は汚れは十分に落ちていないのです。
時間をかけて歯磨きすることができなくなる
お口の中が泡でいっぱいになってしまうと、時間を掛けて磨くことができず、すぐに歯磨きを終えてしまうのです。そのため、歯磨き粉を使わずに歯磨きをする習慣を身に付けておくとよいでしょう。
歯磨き粉利用するときはしっかり選ぼう
歯磨き粉を使用する場合は、最初は歯磨き粉を付けずに磨いた後、仕上げのつもりで歯磨き粉を使うとよいでしょう。最近は小さな子でも使いやすくフレーバー付でフッ素を含む歯磨き粉があります。
歯磨きが苦手な子供の場合はそのような歯磨き粉を使うのも苦手を克服する効果があるかもしれません。
5.赤ちゃんの気になる口臭は舌が原因かも

赤ちゃんはミルクのにおいがするというイメージがありますが、離乳食がはじまると口臭が気になるようになります。また、粉ミルクには糖質が含まれているため母乳のみの赤ちゃんよりも、口臭が気になることがあります。
その場は、舌を見てみましょう。
歯磨きをしても口臭が気になる場合は舌に原因がある?
お口の中をガーゼで拭き取ったり、歯磨きをしたりしていても口臭が気になるときには、もしかすると舌に残った汚れが原因になっている可能性があります。
舌には見えにくいですが細かい毛のようなものが生えており、そこに食べかすなどがくっついていることがあります。
汚れが残ったままにしておくと雑菌が繁殖しにおいのもとになるため、赤ちゃんが嫌がらない程度に拭き取ってあげましょう。

看護師ポイント
舌の奥の方まで触れてしまうと嘔吐反射を起こしてしまうので、手前の方だけそっと湿らせたガーゼで汚れを落としてあげます。
6.まとめ
赤ちゃんにとって、お口は大切な情報源です。生まれたばかりの頃は歯も生えておらず、歯磨きをする機会もありません。しかし、歯が生えて、歯磨きをするようになると今度は大人になってもずっと虫歯を意識しながら、自分で歯磨きをしていかなければならなくなります。
その習慣づくりは赤ちゃんの頃からはじめる必要があります。
みなさんもスキンシップを兼ねて、赤ちゃんの将来につながる優しいお口のケアをしてあげましょう。
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