幼児期の子どもの発達障害の症状と相談先について

幼児 発達障害 症状

子育てをしていると、ちょっとした行動で「うちの子は他の子と違うのでは」と心配になることはありませんか。発達障害かどうかは境界が曖昧な部分もあり判断が難しいところですが、特徴的な症状もいくつかあります。

発達障害とは脳の一部の機能障害です。先天性であり、育て方や愛情不足とは関係がありません。

障害であるため治ることはなく生涯付き合う「特性」として捉えます

成長する過程で徐々に症状が現れてくる幼児期は、子どもの様子に保護者も戸惑うことが多く、また発達障害を受け入れるのが難しいこともあるでしょう。

しかし、早い時期からの療育や訓練により症状を改善(見えにくい状況に)し、良い結果をもたらすことは可能です。

幼児期に現れる症状を理解して早期療育へとつなげるために、ここでは子どもの発達障害が疑われる症状と相談先についてご紹介します。

この記事を書いた看護師

看護師R-M
R-Mさん
・北海道/40代
・正看護師免許

長く小児科病棟をしていました。看護師として早20数年、経験から得た情報を伝えていけたらと思います。

1.幼児期において発達障害が疑われる症状とは

座り込む男の子

幼児期に特徴が現れることが多い発達障害は、主にASD(自閉症スペクトラム)とADHD(注意欠如多動性障害)です。

同じASDであっても、大人しく人見知りの子もいれば、初対面でも誰彼かまわず話しかけて多弁になる子もいます。

個々で症状が大きく違ってくるため、すべてに当てはまるわけではありません。

具体的な特徴をご紹介します。

 

(1)感情表現が苦手である

表情が乏しいなと感じられることや、あまり泣かない傾向にあります。そのため、育てやすい子と思われることもあります。

1歳頃の言葉を習得するときには気持ちを伝えるために指差しをするようになりますが、発達障害の子はしない傾向があります。

 

(2)周りのことに無関心である

話しかけられても興味を示さず、目が合わないことが多くみられ、一人遊びを好みます。

周りに無関心なため言葉の発達も遅れる傾向があります。

 

(3)感覚が敏感であったり鈍感であったりする

音に対してあまり反応しないことがあります。

一方、体に触られるのを嫌がり、抱っこをすると反り返ったり暴れたりします。

舌の感覚が過敏で歯ごたえや味にもこだわりを持つため、偏食になる傾向があり、肌触りなどの感覚も敏感なことから身に着ける洋服にもこだわりをみせることがあります。

 

(4)極端に不器用である

微細運動が苦手な傾向にあります。

指先が上手く動かせず、ボタンかけが苦手であることや、大きくなっても食べこぼしが多い、枠の中に文字が書けないなどの症状がみられます。

 

(5)じっとしていられない

3~4歳になっても集中することが苦手で、座って話を聞くことができず立ち歩いたり、目的もなく走り回ったりする傾向があります。

 

(6)パニックを起こしたりチック症状が現れたりする

過去に経験した嫌な出来事を突然思い出すフラッシュバックや、初めての場所や経験で不安になると、突然泣きだすことや暴れだすことがあります。

手足や頭を掻いたり、まばたきを繰り返したりなどのチック症状が現れることもあります。

 

(7)他人との距離感が分からない

いつまでたっても人見知りをしたり、どのように話しかけたらいいのか分からずに隠れてしまったりする場合や、逆に、人の話を遮って話しかけたり、抱き付いたりすることもあります。

 

2.病院へ相談したほうがいい発達障害の症状とは

頬杖をつく笑顔の男の子

次に、病院へ相談したほうが良いと判断する症状についてご説明します。

 

(1)1~2歳の頃に注意する症状

1~2歳の頃はASDが主であるため、目を合わせないことや表情が乏しい、周りの声や音への反応が鈍いことがあるときには病院へ相談したほうがいいでしょう。

指差しをせずに、人の手を代わりに持っていこうとする症状(クレーン現象)が見られるときにも相談することをおすすめします。

言葉の発達には個人の成長にかなりの時間差があるため、この頃は少々の遅れであれば、家庭での話しかけや読み聞かせなどを増やしながら様子を見ていてもかまいません。

 

(2)3歳以降に注意する症状

3歳以降になると、ADHDの症状が現れてきます。

集中できないことや多動などは幼児期に普通に見られることでもあるため判断が難しいです。

しかし、幼稚園や保育園などの集団生活をする中で症状が目立ち、気になることが増えたり、先生などから伝えられる頻度が高かったりするようであれば考えた方がいいでしょう。

看護師からのポイント

看護師ポイント

ADHDは社会生活に支障をきたすことや、本人が生きづらさを感じることが問題となるため、基本的には上記のような症状があり、子育てに不安や大変さを感じているのであれば、早めに相談をしたほうがいいでしょう。

 

3.幼児期の子どもの発達障害を相談する先は?

母娘と男性医師

発達障害は専門医のいる小児科で診断されるケースがほとんどです。

専門医とは大学病院の小児科や、小児発達神経科、小児心療内科などです。専門医が少ないために初めての時は予約を取るのが大変なこともあります。

早めに相談するために、地域の保健センターや、児童相談所、発達障碍者支援センター、子育て支援センター、かかりつけ医などで相談して専門医へ紹介してもらうと良いでしょう。

住んでいる自治体にどのような相談場所が近くにあるのか調べてみるといいかもしれませんが、手軽に相談できて専門医に紹介してもらえる2つの方法をご紹介します。

 

(1)かかりつけの小児科で相談する

受診した際に相談することで普段の様子を見てもらうこともできます。

それにより医師が疑わしいと判断したら、小児科医のネットワークがあるためそこから紹介してもらうことができます。

 

(2)地域の保健センターで相談する

自治体で受ける健診で、普段から気になっている症状を伝えましょう。

健診自体が発達を評価する場所でもあるため、相談も受けられ、そこから紹介してもらうことも可能です。

 

(3)早めに療育支援を受けることが大切である

療育支援とは、困っている症状に対して必要かつ適切な支援をすることです。

例えば、表現するのが上手ではない場合には、友達とコミュニケーションをとる上でトラブルが起こりにくくするためのトレーニングを積み重ね、適応能力を伸ばしていきます。

成功体験を増やすことで、不安障害やひきこもりなどの2次障害を防ぎます

看護師からのポイント

看護師ポイント

専門医を受診しても、軽度の場合は診断がされないこともあります。また、いくつかの症状が重なっていてすぐに診断がつかないことがあります。

小学生に上がってから症状が目立ち診断がつく場合もありますが、幼児期に重要なのは診断名ではなく、困っている症状に目を向けることです。

 

まとめ

発達障害と言っても、個々で症状が大きく違い、さらに境界が曖昧なため、保護者も戸惑いを感じることのほうが多いでしょう。

我が子が「発達障害かも」と重く感じて悩むよりも、「何か違うかな」という気付きがあった時点で、気軽にかかりつけの小児科医へ相談し、日頃の診察時から気に留めてもらうようにするといいかもしれません。

それにより、専門医への紹介がスムーズに行われることもあります。

 

早めの関係機関への相談が必要である

最初は保護者側に、我が子が発達障害だと受け入れることが難しい場合もあるとは思います。

しかし、幼児期から早い段階での療育支援を受けることで症状が改善され、子どもの自信にも繋がるだけではなく、発達障害をその子の特性と感じることができ、保護者の受け入れにも良い変化がみられることが多いです。

幼児期の子どもは、何か感じていたとしても自分から上手に訴えることが出来ません。

もしかして、と思うことがあれば、子どものためにも早めに関係機関へ相談し、早めに療育支援等の対応をしてあげることをおすすめします。


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