小学生(子供)の夜尿症(やにょうしょう)の原因と家で行う対処法

小学生(子供)への夜尿症(やにょうしょう)

子供は、小さい頃は当たり前のようにおねしょをしていますが、オムツが外れる頃から

徐々に減っていきます。おねしょをしている子は、

4歳25%程度
5~6歳15%程度
小学生5%程度

4歳で25%程度、年長さんで15%程度と言われています。おねしょと夜尿症は同じものですが、年齢で区別されており小学生になると夜尿症(やにょうしょう)という言葉が使われます

受診する保護者の中には「うちの子くらいでは」と思って相談に来ますが、夜尿症の子供は意外と多く高学年でも5%程度いると言われています。20人に1人ですから、クラスに1~2人はいることになります。

だからといって夜尿症を放置するのではなく、本人の自尊心のためにも治す方向で考えた方が良いと思います。こちらで、夜尿症の原因と一般的な治療方法、家で行う夜尿症への対処法などを紹介していきます。

この記事を書いた看護師

看護師R-M
R-Mさん
・北海道/40代
・正看護師免許

長く小児科病棟をしていました。看護師として早20数年、経験から得た情報を伝えていけたらと思います。

1.小学生の夜尿症の原因について

小学生の夜尿症の原因について

夜間の尿量を調整している抗利尿ホルモンの分泌が不安定で、夜間に薄い尿が出てしまう場合や、膀胱の容量が年齢に比べ小さく、夜間尿が十分に貯めることができていない場合が主な原因となっています。

心理的なストレスや冷えなどによって、これらのバランスが不安定になって生じることもあるため、ひとつの原因ではなく、複合的にみられることもあります。

 

夜尿症の検査法と診断について

原因によって治療法が変わってきますので、夜間尿量や我慢尿量の検査をします。

夜間尿量とは寝る前にトイレに行って膀胱を空にして、夜間の尿量を測定量のこと
(夜間オムツを使用し、総量からオムツの量を引いて、250mlより多いと多尿型)
我慢尿量とは帰宅後に、尿意を感じてもぎりぎりまで我慢し、尿量を紙コップで測定すること
(1年生150ml、2年生200ml、3年生以上250ml以下であれば膀胱型)

両方当てはまる場合は混合型と診断されます。

両方とも当てはまらず夜間尿量が少なく、我慢尿量が多い場合でも寝てしまうと少しの尿で夜尿してしまう解離型と診断されることもあります。

看護師からのポイント

看護師ポイント

夜尿症と思っていても、思わぬ病気が隠れていることが稀にあります。一般的な血液検査や尿検査も行い、腎臓病や糖尿病、尿崩症などの病気がないかも検査して確認することも重要です。

 

2.夜尿症の受診の前に確認したいこと

夜尿症の受診の前に確認したいこと

夜尿症のため、病院やクリニックに子供を連れていく前に確認したいことが2つあります。

 

(1)夜尿症の治療が行えるか

夜尿症は小児科受診でいいのですが、すべての医師が診るわけではありません

1回の診察にゆっくりと時間をかけ経過を見ていく必要がありますが、忙しいところだと薬を出して終わってしまうことや、そもそも診てくれないところもありますので、注意が必要となります。

看護師からのポイント

看護師ポイント

受診の前に夜尿症の対応をしているか、事前に電話などで確認することをお勧めします。

 

(2)子供が治療する気持ちになっているかを確認

夜尿症の検査や治療は、時に嫌なこともありますので本人(子供)の協力がないと出来ません

小学生になると、気にして治したいという子供の方が多いですが、親の思いだけではなく、きちんと本人の気持ちを確認してから受診することをお勧めします。

 

本人が直したいのに親が同意しないのもNG

本人が治したいのに「そのうち治る」と思い親が様子をみてしまうこともお勧めしません。成長とともに治ることもありますが、積極的に治療したほうがより早く夜尿を卒業することができ、それは子供の成長にとっても大切なことです。

治療のタイミングを逃さないようにしましょう。

 

3.夜尿症の治療方法について

夜尿症の治療方法について

まず、夜間尿の記録をつけることは重要で、カレンダーなどを利用して夜間尿の記録をつけていきます。

根気のいる作業ですが、頻度や尿量を知ること、薬の効果、意識付けなどに有効です。受診の際に持参し、医師と子供が記録を見ながら対話し、今後の方向性を見つけて子供自身のモチベーションを上げ、次の受診へとつなげていきます。

夜尿症の治療方法には、「内服治療」「アラーム療法」が一般的です。

内服治療・多尿型に有効な治療
・膀胱型に有効な治療
・混合型に有効な治療
アラーム療法・解離型に有効な治療

上記の治療法になり、詳しく説明していきます。

 

内服治療について

多尿型抗利尿ホルモンが不安定な状態で成長とともに治ることがありますが、年齢や必要に応じて、抗利尿ホルモンの分泌を促す薬を寝る前に服用します。
薄い尿が多く出る場合は夜間尿量が減少する点鼻薬があります。
膀胱型尿失禁治療薬として開発された薬で、膀胱を大きくして貯められる尿量を増やす薬を、朝か寝る前に服用します。
混合型 多尿型と膀胱型のふたつのタイプの薬を併用します。

 

アラーム療法について

解離型に有効な治療です。

難治性ともいわれ、生活改善や薬では改善が見られないことが多い場合に使われます。夜尿直後にアラームで覚醒させて反射的に尿を止めるようになり、徐々に膀胱の容量を増やして朝まで排尿を我慢できるようにするものです。

看護師からのポイント

看護師ポイント

この治療法は効果が表れるまでに数か月と時間がかかり、実際のアラームで子供が覚醒しないことも多く、家族が協力して寝不足になることもあり、途中で治療が中断されることもありました。

 

4.家で行う夜尿症への対処法

家で行う夜尿症への対処法

夜尿症の子供への関わり方として、注意してほしいことは次の3点です。

(1)起こさない睡眠のリズムを崩すことになり、ホルモンバランスもより不安定になります。
(2)叱らない子供自身がやりたくないと思っていることなので、叱っても効果がありません。
(3)焦らない親が焦ると子供自身のストレスとなります。半年から1年位はかかると思って気長に付き合いましょう。

治療を行う前に、生活指導として家庭で行ってほしいことが医師などから伝えられます。

  • 朝から昼までの水分量を多めにして、夕方からの水分を控える、など1日の水分のとり方の見直しをすること
  • 寝る前には必ずトイレに行くようにすること
  • 自律神経を上手に働かせるために規則正しい生活を心がけること
  • 家にいるときには、尿意を感じたらすぐにトイレにいくのではなく1度我慢してから行くようにすること(何度も我慢はしないこと)
  • 冷えないように、寝る前にゆっくりお風呂に入ることや布団を温めておくことも有効。夏はクーラーや扇風機などで冷やすと悪化する場合があるので注意すること

などです。

普段から気を付けていることもあるでしょうが、受診前に試してみて、良くならなければ受診というかたちをとってもいいと思います。治療中もこの生活方法は続ける必要があります。

 

5.夜尿症の子供への宿泊行事の対応について

夜尿症の子供への宿泊行事の対応

まず、夜尿症でも出席か欠席かではなく、出席することを前提に考えましょう

事前に日程を医師へ伝えて最も効果のあった薬を使って対応します。その時点で週に数回の子であれば、当日失敗しないことのほうが多いです。

宿泊行事の数週間前に来て何とかしてくださいと言われることもありますが、「効果のあった薬」を使用できるようにするためには、数か月、できれば半年以上前から通院していただくと適切に対応できると思います。

 

必ず学校の先生へ伝えて対応を取ってもらうこと

万全を期すためには薬だけではなく、必ず学校の先生へ伝えてその子にあった対応をとってもらいましょう。最初にお伝えしましたが、夜尿症の子は意外に多く、学校の先生方は対応に慣れています。同級生に知られることは恥ずかしいですが、先生に恥ずかしいと思う必要はありません。

同行する保健の先生でもかまいません。

  • 他の子に知られないように夜間トイレへ起こしてもらう
    (夜尿が1回であれば12時頃、2回であれば12時と3時など)
  • 他の子が起きる前に声掛けしてもらい、万一失敗していたら着替えられるようにする
  • 尿量が多くなければ尿取りパッドを使用する
  • 尿回数が多ければ寝静まった後、先生の部屋へ移動する

など、事前にしっかりとその子に合った準備をして、貴重な体験の場となる宿泊行事を欠席することのないようにしたいですね。

 

6.まとめ

夜尿症は成長とともに治ることもあり、また恥ずかしさも伴うため、受診を戸惑うことも多いようです。しかし、夜尿症は子供の自尊心を大きく傷つけていることもあり心の成長に影響する可能性もあります。

受診の目安としては、入学前の子供は生活指導だけで様子を見ていてかまわないと思いますが、小学生になって週の半分以上夜尿があるときには、ぜひ医療機関で相談することを考えてみてください。

そのうえで、治療はもちろん検査の段階から、オムツをすることや尿意や水分を我慢することもあり、本人の協力が欠かせませんので、子供自身が夜尿に悩んで治したいと

思い始めたタイミングで治療を始めることをお勧めします。


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