流産の種類と予防方法!楽しく健康な妊娠ライフを送ろう

流産 種類 予防

妊娠をすると嬉しさはもちろんありますが、同時に流産の不安を抱える人も少なくありません。一言で流産といっても、実はその種類は色々で、原因、症状なども違います。

今回は、実際に流産経験のある元産婦人科看護師が流産について詳しくお伝えします。

流産の種類や予防法を知り正しい知識を身につけて、安心して楽しく健康な妊娠ライフを送りながら安全な出産を迎えましょう。

この記事を書いた看護師

元看護師ジュプン
ジュプンさん
・福岡県(現在海外在中)/41歳
・正看護師免許

三児の男の子の母と看護師の両立に奮闘しながら総合病院の看護師として勤め、その勤務経験は10年以上。看護師と出産・育児との両立経験を生かし、皆さんが知りたいという内容を分かりやすくお届けしたいと思います。

1.流産になる確率と原因について

落ち込む女性

まず、流産になる確率と、その原因についてご説明します。

 

(1)流産を経験する確率は約15%

妊婦が流産を経験する確率は、約15%と決して低いものではありません。

そして流産の約80%は妊娠初期の妊娠12週未満に起こることもわかっています。

 

(2)流産の原因の多くは「胎児の染色体異常」

流産の原因は、子宮外妊娠や子宮の形に異常があったり、感染を起こしてしまったりと母体側に原因がある場合もありますが、多くの場合は「胎児の染色体異常」によるものです。

これによって受精卵の着床や細胞分裂の過程で成長が止まってしまい、うまく育たなくなるのです。

染色体異常は先天的、つまり遺伝子レベルで起こっていることで、これは受精卵が着床した段階からすでに決まっているとも言われています。

 

2.流産の種類について

胎児

妊娠22週未満で、大きな原因が考えられず妊娠が自然に中断してしまうことを「自然流産」といいます。

この自然流産にはさらなる進行具合によって以下の種類に分かれます。

  1. 亡くなった胎児も組織も子宮内に残ったままの状態である「稽留流産」
  2. 胎児や組織などが血液と一緒に体外へ流れ出始める「進行流産」
  3. 進行流産がさらに進んで胎児や組織などが出たものの、一部が子宮内に残ってしまった状態である「不全流産」
  4. 胎児も組織もすべて子宮内から完全に排出された「完全流産」
  5. 妊娠と判定されない「化学流産」

それぞれ詳しくみていきましょう。

 

(1)稽留流産とは

稽留流産とは、流産の中で最も発生率が高い妊娠初期15週までに多く起こる流産です。特に妊娠6週~7週頃に多くみられます。

妊娠が確定した後、お腹の中で胎児が亡くなってしまっているのに子宮内に留っている状態のことを言います。

通常、流産をすると出血や腹痛などの症状がありますが、稽留流産の場合は自覚症状がなく、亡くなった胎児も組織も子宮内に残っているためにつわりが続くこともあります。

そのため、妊婦健診で病院を訪れて初めてわかることが多いです。

看護師からのポイント

看護師ポイント

もし稽留流産になった場合、亡くなった胎児や組織を体外へ出す「子宮内容除去術」が行われます。この手術には掻爬や吸引などの方法があります。

 

(2)進行流産とは

進行流産とは、「流産が進行している」状態です。子宮内にある胎児が入った胎嚢などの膜、血などが体外へと流れ出ていることをいいます。

子宮内膜とともに胎児や組織が剥がれ落ちてくるため、激しい腹痛を伴うのが特徴です。患者の中には「陣痛のような痛み」を表現する方も多くいました。

人によって痛みの度合いは違うため、中には生理痛程度の方もいます。

そして、腹痛の増強とともに出血も徐々に多くなります。出血は鮮血(鮮やかな赤色)です。

進行流産がさらに進むと「完全流産」や「不全流産」になります。

 

(3)不全流産とは

不全流産とは、妊娠が継続できずに出血が始まり胎児や組織が体外へ排出されてしまったものの、その際にその一部が子宮内に残ってしまう状態のことを言います。

完全に排出されたわけではないので、腹痛も出血も続きます。

こちらも妊娠初期に起こる流産で、病院では一般的に妊娠7週を目安に、胎児の心拍が確認できない、胎児が成長していない、出血や腹痛があるなどを総合的に判断し「不全流産」の診断をします。

不全流産の場合、基本的には稽留流産と同じく「子宮内容除去術」が行われますが、

  • 子宮収縮薬を使って残っている胎児や組織が排出されるのを待つ方法
  • 何もせずに超音波とホルモン検査を行いながら自然に排出されるのを待つ「待機療法」

以上が行われることもあります。

 

私は妊娠6週で不全流産を経験

私の場合、「進行流産」からの「不全流産」でした。初診で胎嚢が確認できましたが次の検診で育っていませんでした

様子を見るように言われましたが次の健診を待つ間に出血が始まり、すぐ受診しました。

診察中に胎児が自然に排出しましたが、子宮内にはまだ残留物があり、医師より手術または内服の選択肢を与えられました。

内服を選択し、自宅で様子を見ているうちに残留物も出て子宮内も綺麗になりました。

 

(4)完全流産とは

完全流産とは、亡くなってしまった胎児とその組織が子宮内から自然にすべて体外へ排出された状態です。

進行流産で始まった激しい腹痛と大量の出血は、完全流産を迎えた後に徐々に改善していきます

完全流産の場合は、子宮内に残っているものがない状態であるため手術などの処置をする必要がありません。

ただし病院によっては子宮の収縮を促すために内服を処方することもあります。

看護師からのポイント

看護師ポイント

完全流産で排出された胎児やその組織は、レバーのようなプルプルとした血の塊である場合が多いです。

病院によってはその血の塊を検査する場合があります。医師からその旨を告げられた場合、自宅で排出された後に病院へ持参しましょう。

 

(5)化学流産とは

化学流産とは、妊娠検査薬で陽性となったものの、その後再検査で陰性となってしまった場合や、産婦人科の診察で「胎嚢」が確認できずに妊娠と判定されない場合のことを言います。

これはどういうことかというと、受精卵が着床したものの、その後着床が長く続かずに妊娠が成立しなかったということです。

胎嚢は妊娠6週を過ぎる頃までに見られるものなので、この化学流産は稽留流産よりもさらに早い段階で起こる流産ということになります。

化学流産も稽留流産と同じく胎児の染色体異常が主な原因であるため、先天的なものだということになります。特に処置などはありません。

流産という名がついていますが、厳密に言うと妊娠が確定していないので、流産とは言いません。

 

3.流産を予防するために気をつけたいこと

お腹を触る妊婦

流産の原因のところでもお伝えしましたが、流産の多くの原因は胎児の染色体異常で、この場合は残念ながら予防することはできません。

しかし、できる限りのことをして予防したいという気持ちは大切です。

ここでは実際に産婦人科外来でもお話しする方法をお伝えします。

生活習慣を見直す疲れたらすぐ休憩することを心掛け、十分な睡眠をとる
ストレスを溜めずになるべくゆったりと気持ち良く過ごす
下痢や便秘、風邪などに注意し体調管理をする
身体に負担のかからない仕事内容や勤務時間に変更してもらう
仕事だけでなく家事でも立ちっぱなしにならないようにする
重いものを持たず、階段の昇り降りに注意する
激しい運動や長距離の旅行を避ける
食生活を見直す葉酸、たんぱく質、鉄分、食物繊維を摂取する
寄生虫、食中毒を起こす菌、水銀を含む恐れのあるものは避ける
アルコール、カフェインの摂取は避ける

以下で詳しくご説明します。

 

(1)生活習慣を見直して流産を予防する

子宮の中の胎児の状態が安定する基礎となるのが胎盤です。徐々に形成される胎盤は妊娠16週頃にやっと安定してきます。

妊娠が判明してからこの頃までは、ちょうどつわりがひどい方もいるかもしれません。疲れやすかったり、身体が火照って眠気が来やすかったりすることもあります。

仕事や家事、上の子の育児などで忙しい毎日を送っているかもしれませんが、なるべく職場や家族に協力してもらい、疲れたり辛い時には少しでもゆっくり休める環境を作りましょう

以下でポイントを詳しくご紹介します。

 

疲れたらすぐ休憩することを心掛け、十分な睡眠をとる

身体の疲労は女性ホルモンのバランスを乱します。ホルモンバランスが乱れると、流産のリスクが高まります。

特に黄体ホルモン(プロゲステロン)は妊娠の継続に大きく関わるホルモンです。黄体ホルモンが少ないと受精卵が着床しにくくなります。

過剰に疲れるとこの黄体ホルモンは減少してしまうので、休息が必要というわけです。

 

ストレスを溜めずになるべくゆったりと気持ち良く過ごす

ストレス、つまり心の疲れも女性ホルモンのバランスを乱すことが分かっています。

ホルモンバランスを整えるには、楽しく充実した毎日を送ることが大切なのですが、現代社会とストレスは切り離せないものではあります。

そんな毎日を心地よく過ごすご提案としては、少しでも自分のためのリラックスできる時間を作るということです。

好きな音楽を聴いて過ごしたり、アロマの力を借りてリラックスしたり、趣味に没頭したりと日々の楽しみを見つけながらリラックスして過ごし、ストレスを発散しましょう。

 

下痢や便秘、風邪などに注意し体調管理をする

妊娠すると、ホルモンや身体の変化から便秘や下痢になりやすくなります。しかし、流産の直接的な原因が便秘や下痢であることはまずありません。

それでも便秘で激しい腹痛を伴う場合は注意が必要です。また市販の便秘薬を使って腸の動きを無理やり激しくしてしまうことや、排便時にお腹を強く押すことは危険です。

下痢の場合は、その原因がウィルスなどの菌によるものであることと、激しい腹痛を伴う場合は注意が必要です。

風邪の場合は、高熱が続いたり、自己判断で市販薬を飲んでしまったりすると危険でしょう。

看護師からのポイント

看護師ポイント

いずれの場合もそれが直接原因となることは少ないです。流産のリスクを高めないという意味で、体調管理していきましょう。

 

身体に負担のかからない仕事内容や勤務時間に変更してもらう

妊娠しても今の仕事を続けなければならない方は多いはずです。

もし、ハードな勤務や立ち仕事の方で負担が多い場合は、職場に申し出て仕事内容を見直してもらうことも検討しましょう。

出勤までの道のりも時に厄介です。満員電車に乗ることが多い場合は立ちっぱなしに加えて、ギュウギュウと押されることも多いので注意が必要です。

可能であれば勤務時間を少し調整してもらうようにしましょう。

 

仕事だけでなく家事でも立ちっぱなしにならないようにする

家事は料理にしても掃除にしても、立ちっぱなしや動きの多いものがほとんどです。時にその動きは妊婦の身体の負担になります。

疲れたらこまめに休み、立ちっぱなしを避けましょう。

 

重いものを持たず、階段の昇り降りに注意する

重いものを持つと下腹部に力が入ります。

買い物をたくさんして重くなった荷物を持たないといけない時もあるかもしれませんが、なるべく小分けに買い物して、疲労と下腹部の負担を減らしましょう

また階段の昇り降りも同じく下腹部に力が入ってしまいます。転ぶリスクもあるためなるべく利用しないようにするか、ゆっくりと昇り降りしてください。

 

激しい運動や長距離の旅行を避ける

特に妊娠初期の激しい運動は身体に負担がかかります。

運動が流産の直接的な原因になることはまずありませんが、スキーやスケートなど転倒の危険性があるものや下腹部にぶつかる危険のあるボールを使ったものは避けたほうが良いでしょう。

また旅行も特に直接原因になることは少ないですが、長距離の移動の場合は、長時間同じ姿勢であることや疲労などによって下腹部に負担がかかり、痛みを感じることもあるため、妊娠が安定するまでは避けたほうが良いでしょう。

 

(2)食生活を見直して流産を予防する

母親の口から摂る食事はお腹の胎児への栄養でもあります。しかし妊娠初期はつわりがひどい方もいると思いますので、無理はせずに落ち着くまでは摂れるものを摂りましょう。

ここでは流産予防に良いものと避けたいものをご紹介します。是非参考にして、バランスの良い食事を心掛けましょう。

 

流産予防のために摂取したいもの

流産予防のために妊婦が摂取したいものとして、

  • 胎児の成長を促す「葉酸」(ブロッコリー、ほうれん草、納豆、海苔など)
  • 黄体ホルモンを活性化させる「カルシウム」や「たんぱく質」(卵、牛乳、納豆、いわしなどの小魚)
  • 胎児へ送る血液をつくる「鉄分」(納豆、ほうれん草、小松菜、レバー)
  • 便秘解消の手助けをしてくれる「食物繊維」(野菜、海藻類)

などが挙げられます。

つわりでレバーが苦手になったという方でも、レバーペーストならパンなどに塗って比較的摂りやすいでしょう。

 

流産予防のために摂取を避けたいもの

流産予防のために妊婦が摂取を避けたいものを以下に挙げます。

  • O-157やトキソプラズマといった寄生虫に感染する恐れのあるもの
    (生ハムや馬刺しなどの生肉)
  • 食中毒を起こすリステリア菌が含まれていることのあるもの
    (カマンベール・ゴルゴンゾーラなどのナチュラルチーズ、スモークサーモン)
  • 胎児の神経伝達機能に悪影響を及ぼしてしまう水銀を含んでいる恐れのあるもの
    (本マグロ、金目鯛、メカジキなど)
  • 胎児性アルコール症候群や精神発達の遅れ、行動障害の要因となる「アルコール」
  • カフェイン

これらの大量摂取は避けてください。

カフェインは摂り過ぎると鉄分の吸収を妨げてしまいます。分解処理ができず体内に残ってしまうと血流を阻害し、胎児へ胎盤を通って届く酸素や栄養が少なくなってしまい、結果的に流産に繋がることもあります。

 

まとめ

毎日の生活の中で、流産予防としてできる限りのことをしたい気持ちは誰もが持っているでしょう。

しかし、流産の多くは胎児の染色体異常によるものであると何度もお伝えしてきました。この染色体異常が原因の場合は、妊娠が成立してから流産を予防することはできません。

流産をしないようにと色々努力することも大切ですが、まずは生活習慣から見直して、食事と睡眠をしっかりとり、ゆったりのんびりとした気持ちでいることが何より母体と胎児にとって良いことです。

あまり神経質になり過ぎず、楽しいマタニティライフを送ってください。


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