妊娠初期・中期・後期の症状と注意点!妊婦が仕事中に気を付けること

妊娠初期・中期・後期の症状と注意点

妊娠に喜んだのもつかの間、少しずつ起きてくる体の変化に戸惑いを感じることも増えるようになります。

仕事をお持ちの皆さんは尚更、

  • 「このまま仕事を続けられるのか」
  • 「周りに気をつけるように言われるけど、具体的に何に注意したらいいのか」

など分からないことがたくさんあるのではないでしょうか。

妊婦と仕事、これから母になる日に向け、楽しいこともしんどいことも2人で乗り越えられる今しかない貴重な時間です。

今回は、妊娠初期・中期・後期に起こる心配や症状、仕事での注意点などをまとめてみました。

この記事を書いた看護師

助産師・看護師jun
Junさん
・大阪府/30代
・正看護師免許
・助産師免許
看護師資格を取得し、その後、助産師資格も取得しました。助産師として働きだし15年以上になり、妊活、子育てで悩むママさんを少しでも看護師・助産師目線でサポートできる記事を執筆していきます。

初めに:妊娠中、仕事をいつまで続ける

妊娠中、仕事をいつまで続ける

妊娠中の仕事をいつまで続けるかは、以下の妊娠初期・中期・後期の期間に合わせて、注意点も確認してください。

基本的に労働基準法では出産予定日の予定日の6週間前から産前休暇を取得できます。

 

1.妊娠中の初期・中期・後期の期間について

妊娠初期とは妊娠15週6日目まで
妊娠中期とは妊娠16週0日から27週6日目まで
妊娠後期とは妊娠28週0日から39週6日目まで

※妊娠前の生理が始まった日を妊娠0日目と考えます。

 

2.妊娠初期・中期・後期の仕事を続ける注意点まとめ

妊娠初期・中期・後期の仕事を続けるかどうかについては以下の通りです。

妊娠初期の仕事妊娠前からの仕事を続けることに問題はありません
(注意点は確認しましょう)
妊娠中期の仕事調子が良くても無理は禁物です
・お腹がはる
・足がむくむ
・普段より疲れる
上記の場合は休息をとり、症状が改善されなければ、主治医に相談
妊娠後期の仕事・産前休暇に向けての準備をする
・調子が良くても絶対無理をしない
・早めの産休の可能性があるため、業務整理を早めにする
産休休暇について予定日の6週間前から産前休暇を取得できる

以下、詳しく詳細を記載しています。参考になれば嬉しいです。

 

【初期編】妊娠初期の症状と注意点!妊婦が仕事中に気を付けること

妊娠初期の症状と注意点!妊婦が仕事中に気を付けること

妊娠前の生理が始まった日を妊娠0日目と考えます。生理が周期的に安定している人が「生理が遅れているかな」と気づいたときは、既に妊娠4週目に入っているということになります。

妊娠初期とは15週6日目までを指します。この時期は、赤ちゃんの臓器や細胞が、ものすごい速さで人間に向かって作られていく大切な時間です。お母さんにとっては、妊娠による体の変化(つわり、眠気、胸が張るなど)を感じる時期です。

 

1.妊娠初期に起こる症状と原因

妊娠初期に注意したい症状は、

  • つわり
  • 出血
  • お腹の痛み

この3つになります。それぞれ詳しく説明していくので、該当する症状はチェックしてください。

 

(1)つわりがひどい症状(重症悪阻)

人により症状が全く異なるのがつわりです。早い人だと、妊娠かもと疑ったその時から強い吐き気に襲われることもありますが、全く症状がなく出産まで過ごす方もいます。

原因としては、

  • 妊娠によりホルモンバランスが崩れること
  • 赤ちゃんを体が異物だと認識すること

などが挙げられます。

食べられなくても飲めていればそれほど心配はいりませんが、口から水分を受けつけなくなれば要注意です。脱水になり、ひどくなれば意識障害を引き起こすリスクも潜んでいます。

看護師からのポイント
助産師ポイント

楽観的になりすぎず、必要なときには点滴治療を受けることをお勧めします。「ちょっとゆっくりしてね」と言う赤ちゃんから頑張るお母さんへの休み時間だと考えるといいですね。

 

(2)出血がでる症状(不正出血)

この時期は、絨毛と呼ばれる赤ちゃんの元になる細胞が、子宮内膜の血管に向かって進んでいきます(これが後に胎盤となります)。

胎盤が作られる場所に向かう途中、血管を突き破りならが進むためときに出血を起こします。これが原因となり出血が起きてくるため、出血があったから流産してしまうなどの心配はいらないとされていますが、無理は禁物です。

実際「仕事中に出血した」と慌てて受診される方もおられます。

 

(3)お腹が痛い症状(切迫流産)

特別な理由がなくても、全妊娠の約15%の割合で流産してしまうことが分かっています。原因の多くは赤ちゃん側にあり、受精した卵の異常によるものです。

よって、

  • 「私が仕事を休まなかったから」
  • 「私がドタバタ動いたから」

だと落ち込む必要ないのが流産と言うことになります。

受精卵になった時点で、正常に育っていけるかは既に決まっているからです。「お腹が痛い」「出血がでた」という症状があってから安静を勧められ、薬を飲むなどの治療をしますが、あくまでも対処療法で根本的な治療ではありません。

看護師からのポイント
助産師ポイント

この時期、少しの不正出血やお腹の痛みは、それほど心配する必要がないことは説明しましたが、似たような症状で命に関わるときがあります。卵管などの子宮内膜ではない場所に受精卵が着床する子宮外妊娠です。

エコーで、子宮の中に赤ちゃんの元となる胎嚢が確認されていれば、子宮外妊娠の心配は入りません。多くはお腹に激痛を伴いますが、少しの出血だけでいきなりショック症状に陥るということもあります。

通常であれば、妊娠6週ごろには胎嚢の子宮内膜への着床は確認できるはずです。知識として知っていると安心ですね。

 

2.妊娠初期に仕事をする注意点

基本的には、妊娠前からの仕事を続けることに問題はありません。ただ以下のことを注意しながら仕事を行うことをお勧めします。

 

(1)体力的な負担を少しでも減らしてもらえるよう上司に相談すること

なかなか座れない接客業、営業などの外回りなどは妊娠していなくても体力がいる仕事です。

また、夜勤がある仕事、勤務時間が不規則な仕事なども体のバランスを崩しやすい職業です。特に妊娠初期は、眠気やつわり症状が強くなり体調のバランスに変動がおきます。同じ体験をした人が少ない職場では理解が得難いこともありますが、この時期は夜勤や不規則な勤務はできる限り減らしてもらえるよう、自分の体調について上司に早めに相談することが大切です。

 

(2)受動喫煙のリスクがある職場なら部署移動を希望すること

座って働く時間が長い事務仕事でも、タバコを煙が舞うような環境で働いているなら妊婦にとって劣悪な状況と言えます。受動喫煙により、低出生体重児や早産などのリスクが高くなることは明らかです。直ちに職場環境を変える必要があります。

看護師からのポイント
助産師ポイント

部署移動などで、劣悪な環境から抜け出せる場合は問題ないですが、移動することができない場合もあるはずです。そうは言っても今の時代、喫煙する場所は限られているのが常識になりつつあることは間違いありません。

勇気を持って「仕事を続けたいから受動喫煙しない環境にしてほしい」と要望することもありなのではないでしょうか。

 

3.助産師が答える!妊娠初期に病院でよく聞かれる質問

助産師として対応した際に、妊娠初期の妊婦さんに病院でよく聞かれる質問をまとめました。

 

Q:パソコンなどを使うことで赤ちゃんは電磁波の影響を受けますか?

助産師Jun
A:電磁波については、胎児に影響があると言うデータもありますが研究途中で信ぴょう性にかけます。どうしても心配なら、電磁波の発する機械から離れるなどの工夫をするなどがいいのではないでしょうか。電磁波が発生している場所から距離をとることにより、影響が減少することは分かっています。

 

Q:仕事に行くときに今まで履いていたヒールを履いても大丈夫ですか?

助産師Jun
A.ヒールが絶対ダメということはありません。ヒールだけでなく、ミュールやサンダルで歩きにくくなったり、転んでしまったりしそうなら履かない方が無難です。少し高さがある方が楽なら履いても問題ありませんが、素足で履くのは体を冷やす原因になるので避けることをお勧めします。

 

Q:職場の飲み会は行かない方がいいですか?

助産師Jun
A.産後も働き続ける予定があるなら、全てを断わることはお勧めしません。始めから全てを断わるのではなく、急な体調不良で欠席になるかもしれない可能性を一言伝えておくようにします。無理のない範囲で顔を出し、職場での立場が悪くならない工夫が必要です。飲み物はお酒ではなく、ジュースなどにして下さいね。

 

Q:未婚なので会社に妊娠を報告できないが入籍する前に言った方がいい?

助産師Jun
例え未婚であっても、社会人として上司への報告はしておくべきではないでしょうか。急な体調不良や切迫早産での入院など、仕事に穴をあける可能性がゼロではないからです。

周りのスタッフへの報告は、安定期に入ってからで問題ないはずです。

 

Q:仕事で疲れたときに栄養ドリンクを飲んでいるが問題ないか?

助産師Jun
A.栄養ドリンクには、カフェインが多量に含まれている物がたくさんあります。カフェインを多量に摂ることは良くないので、栄養ドリンクも避けておくのが無難な選択だと思います。

初期にお勧めの飲み物は、つわりがあっても飲みやすい

  • 三ツ矢サイダー
  • CCレモン
  • 炭酸水
  • カルピス
  • ポカリスエット
  • ルイボスティー

などです。

 

4.妊娠初期編のまとめ

全ての妊娠期を通して、妊娠初期は仕事をするうえで一番体が辛い時期なのではないでしょうか。つわりや、眠気に襲われ、自分の意思とは裏腹に体が思うように動かないことも体験するはずです。吐き気や眠気は気合いでは乗り越えられません。

この体験は「私のお腹には赤ちゃんがいる」という現実を実感できる時間でもあります。まずは胎盤が完成してくる安定期を目指して、毎日工夫しながら仕事が続けられるといいですね。頑張って下さい。

 

【中期編】妊娠中期の症状と妊婦が仕事中に気を付けること

妊娠中期の症状と妊婦が仕事中に気を付けること

妊娠中期とは、妊娠16週0日から27週6日目までを指します。

この時期、お腹はどんどん膨らみを増し妊婦らしい体型になってきます。一方で、胎盤が完成することで流産のリスクはぐっと下がります。辛かったつわりの症状も落ちつき、安定期と呼ばれる時期に入ります。赤ちゃんは聴覚が発達し、音に反応するようになります。

目も開き、鼻の穴も作られます。輪郭もはっきり分かるようになるので、4Dエコーで見るとびっくりするくらいのクオリティで赤ちゃんに逢えます。赤ちゃんの動きも良く分かるようになります。これが、胎動です。これからは赤ちゃんに話しかけ、一緒に過ごしていける安定した時期になりますね。

 

1.妊娠中期に起こる症状と原因

妊娠中で注意したい症状については、

  • お腹が固い
  • お腹がはる
  • 出血がある

などになります。

 

(1)お腹がはる・お腹が硬くなる症状(切迫早産)

赤ちゃんが産まれて問題ないとされるのは37週0日からです。それまでに産まれてしまうことを早産と言います

切迫早産とは、実際産まれた訳ではないけど、程度の差はあれ、産まれる可能性が考えてられるくらいの状況というイメージです。その症状として「お腹がはる」「お腹が硬くなる」などがあります

赤ちゃんがいる子宮は筋肉です。筋肉は問題がなくても時々収縮を起こします。動いたり歩いたり通常の生活を送る中で、更に子宮の収縮が増えることがあります。

看護師からのポイント
助産師ポイント

痛みがなくじっとしていると落ち着くなら心配はいりませんが、痛みがあったり規則的に収縮したりするなら心配です。無理せず、相談してくださいね。

 

(2)出血がある場合の症状(切迫早産・前置胎盤・常位胎盤早期剥離)

妊娠中の出血はどの時期も心配ですが、特にこの時期に心配なことは、切迫早産・前置胎盤・常位胎盤早期剥離などがあります。その中でもこの時期の出血は、先ほど説明したお腹がはる症状と一緒に起こる切迫早産の徴候ということが多くを占めます。

真っ赤な出血の場合・新しい出血
真っ赤な出血の場合は、すぐに相談を
茶色や褐色の出血の場合・古い出血
他の症状がなければそれほど心配はない
看護師からのポイント
助産師ポイント

少量の出血だと思って安心していたら、急激な腹痛(常位胎盤早期剥離)や多量の出血(前置胎盤)などが起き、救急搬送されたという妊婦がいるのは事実です。妊娠中の出血は、少量でも絶対安心ということはありません。

赤ちゃんからのサインだと受けとめ、安易な判断は控えるようにして下さいね。

 

2.妊娠中期に仕事をする注意点

妊娠中期の場合、仕事をする注意点が2つあります。

 

(1)ストレスをため込まないこと

今までスムーズにこなしていた仕事も、上手くいかない、時間がかかるなど思い通りにならないことがでてきます。

理由を考えても良く分かりません。そんなときには「1人でできていたことも赤ちゃんと2人で足並みを揃えるのは慣れるまで難しいのかな」と前向きに考えてはどうでしょうか。

 

気持ちが後ろ向きだとさらにストレスがたまる

気持ちが後向きになると、どんどんストレスがたまります。ストレスを発散しようと食べすぎてしまいます。すると、過食による体重増加、間食による体重増加で瞬く間に太ります。ひとまず、上手くいかないことが起きても、いちいち理由を探すことをやめましょう。

「そのうち何とかなる」くらいの気持ちで過ごしてみることをお勧めしたいです。

 

(2)過度な疲労をため込まないこと

疲れたな、しんどいなと感じたら休むことが大切です。

この時期無理をすると、むくみ・たんぱく尿・血圧も上がるなど、妊娠高血圧症候群の症状が現れやすくなります

規則正しい生活を送ることが、赤ちゃんにとって何より良いことです。

看護師からのポイント
助産師ポイント

夜勤や不規則な勤務はできるだけ避け、疲れをため込まないようにして下さい。無理をして仕事に穴を開けると、余計に周りにも迷惑がかかります。早寝早起き、バランスの良い食事、疲労回復の対策は、妊娠前と基本的には変わりませんね。

 

3.助産師が答える!妊娠中期に病院でよく聞かれる質問

助産師として対応した際に、妊娠中期の妊婦さんに病院でよく聞かれる質問をまとめました。

 

Q:いつまで仕事を続けても大丈夫ですか?

助産師Jun
A.長時間立ちっぱなし、重いものを抱える仕事などは妊婦らしくなってきた体には負担になります。調子が良くても無理は禁物です。

普段より疲れたな、足がむくむかな、お腹がはるなどの症状があれ上司に伝え、ひとまず休憩を取りましょう。症状が続くようなら主治医に相談し、ひどい場合は病休などの対処も考えて下さい。

 

Q:通勤に自転車、バイク、車に乗っても大丈夫ですか?

助産師Jun
A.無くては生活できないと言う方もいるので一概にダメとは言えませんが、可能なら控えるのが無難です。妊娠中は、普段より急な眠気が襲ってきたり注意散漫になったりしやすいです。

また、そろそろお腹も目立ってくるので転倒するリスクも増えます。乗るなら妊婦である自覚を忘れないようにして下さいね。

 

Q:今まで眠れないときは睡眠剤を飲んでいたけど、今も飲んで大丈夫ですか?

助産師Jun
A.睡眠剤だけでなく風邪薬など、普段、薬局で購入して飲んでいた薬も、妊婦には禁忌となっている物もあります。

妊娠中は基本、薬が必要なときにはかかりつけの産科医師に相談することをお勧めします。妊婦になっても安心して飲める睡眠剤もあるので、必要なら飲んで眠ることが大切です。

 

Q:最近ちょっとしんどいなと思ったら、勝手に涙がでてきますがこんなものですか?

助産師Jun
A.妊娠によりホルモンバランスが変化し、少しのことで涙がでたり情緒不安定になったりしやすくなっています。

何でもないのに涙がでたり落ち込んだりすることが増えますが、深く悩まず、素直に泣いたり落ち込んだりするのが一番です。産後も続くなら、そのときに対策を考えれば十分です。

 

Q:体調が不安なので、規定の産前休暇より早く産休に入りたいのですが可能ですか?

助産師Jun
A.労働基準法では、予定日の6週間から産前休暇を取得できると決められています。今は会社独自でそれより早めに産前休暇を設定しているところもあるので、先ずは会社の規定の期間を確認して下さい。

早めの休暇が必要か主治医に相談し、必要なら母性健康管理指導事項連絡カードを利用することをお勧めします。

 

4.妊娠中期まとめ

妊活中期に入ると、赤ちゃんは流産のリスクがぐっと減り、お母さんも体が妊娠を受け入れられるようになり安定してきます。仕事も妊活前と変わらずできることがほとんどですが、仕事を続けるなら妊婦である自覚を忘れないことが大切です。

胎動を感じられるようになったこの時期、赤ちゃんが動いたと感じたら「私は無理してないかな」と自分に聞いてみることをお勧めします。産休を迎える妊娠後期まで、赤ちゃんと2人で楽しみながら仕事も続けられるといいですね。

 

【後期編】妊娠後期(妊娠28週0日から39週6日目)の症状と注意点

妊娠後期(妊娠28週0日から39週6日目)の症状と注意点

妊娠後期とは、妊娠28週0日から39週6日目までを指します。この時期、誰から見ても妊婦だと分かるくらいお腹は大きく膨らみ、少し動くと疲れたり息切れしたり妊婦であることを自覚する機会が増えます

同時に、あんまり食べてないはずなのに、体重が毎日増え続けるような気になります。

産前休暇は、予定日の6週間前から取得できるところがほとんどです。その日を無事迎えることが今の課題ですね。一方赤ちゃんは、目を開けたりつむったり、あくびをしたり指をしゃぶったり、羊水を飲んだりして過ごしています。赤ちゃんもお腹の中から外の世界へでる最終準備中です。

あと少し、赤ちゃんと2人だけの時間を満喫できるといいですね。

 

1.妊娠後期に起こる症状と原因

妊娠後期に起こる症状は「早産」と「破水」と「胎動」に注意する必要があります。

 

(1)予定日よりもかなり早く産まれる症状(早産)

赤ちゃんは37週0日から産まれてくる準備ができたとされる正期産に入ります。早産とは、妊娠22週から正期産より早い36週6日までに産まれることを言います。

早産は、赤ちゃんにとってもお母さんにとっても、お産を迎える準備が十分でない段階だと考えて下さい。

正期産37週0日から
早産妊娠22週から正期産より早い36週6日まで

 

今の医療では妊娠34週が1つの目安となる

実際、今の医療では妊娠34週が1つの目安にされています。そこまで来れば、呼吸機能などの問題や障害のリスクもなく生きていけると考えられています。赤ちゃんの体重も大切ですが、何よりまずはお腹の中にいる時間が少しでも長くなるよう努力することです。

看護師からのポイント
助産師ポイント

体重が増えて妊娠週数が短い子と、体重はあまり増えなく妊娠週数が長い子、どちらの予後が良くなるのでしょうか。答えは後者の妊娠週数が長い子です。つまり、この時期に大切なことは早産兆候(お腹がはる、出血がある)を見逃さず、無理しないことです。

 

(2)お腹がよくはると思ったら何かが流れだした症状(破水)

  • 「今日は普段よりよくはるけど仕事だから仕方ない」
  • 「痛いと心配だと言われたが特に痛くないし仕事しよう」

と気軽に構えていると、早産以外にも予期せぬことが起こります。

その1つが破水で、

  • 「何か流れている気がする」
  • 「何かパンって音がした」
  • 「尿漏れかと思ったら何回も出ている」

など感じ方は様々です。早産と同じで、正期産になる前の破水は赤ちゃんにとってもお母さんにとっても良くないことです。破水すると、放っておくと陣痛が始まったり、菌が子宮に入り感染したりしてしまいます。

看護師からのポイント
助産師ポイント

今は、破水してもできるだけ赤ちゃんがお腹の中にいる時間を長くできるよう、はり止めの点滴や感染予防の抗生剤を使ったりすることが多いです。破水予防も、いつもと違うお腹のはりを感じたら無理せず、まずは休むことです。

 

(3)いつもより胎動を感じにくい症状(胎児仮死)

お腹がはるとは少し違って、

  • 「何だかいつもより胎動が少ないかな?」
  • 「今日は何だか胎動が鈍いかな?」

と感じたときも注意が必要です。

妊娠後期に入ってから、突然赤ちゃんが亡くなってしまうことがあります。昨日まで元気で何の問題もなかったのにです。

原因は様々で、へその緒がグルグルに巻いていたり(臍帯絡巻)へその緒の巻き具合がキツかったり(臍帯過捻転)、胎盤の機能が落ちてきたり(胎盤機能不全)、胎盤が剥がれきたり(常位胎盤早期剥離)などが考えられますが、起きる前には予測できないのが実情です。

看護師からのポイント
助産師ポイント

胎児仮死を察知するサインが「胎動が少ない?」です。サインを察知するには、1日1回意識して胎動を感じる時間を持つことです。気にしだすとキリがないかもしれませんが、お母さんが感じる「いつもより少ない?」に素直に従い病院に相談することをお勧めします。

 

2.妊娠後期に仕事をする注意点

妊娠後期は妊婦の体に慣れて、仕事がスムーズに行える人も多いですが、一番注意が必要といえるでしょう。

 

(1)今まで通りのペースで時間配分しないこと

安定期を経て妊娠後期に入ってくると、妊婦の体との距離の保ち方も上手になってきます。そんな今が要注意なのです。

はじめの頃、酷いつわりで働きたくても今まで通りできない、少し無理すると疲れるなどの症状があった方は特に注意が必要です。自分では分からないうちに、今までできなかった分を取り戻そうと頑張ってしまいます。

看護師からのポイント
助産師ポイント

妊娠前と同じくらいのペースで働くことが、妊婦の体には負担になることを忘れないで下さいね。一緒に働く人にも、赤ちゃんがいることを意識してもらえるような工夫も必要です。わざわざしんどいアピールも必要ないですが「無理はできないけどできることはします」と言う姿勢を見せることで、周りからのサポートも自然と受けられやすくなるはずです。

 

(2)早めの産休の可能性を考え毎日過ごす

「産休はまだまだ先だし」と悠長に考えていると「業務整理できずにあっという間にその日が来た」と言うくらいならまだ良い方です。

「産休までまだ1カ月くらいあるな」と思っていたら、急に立ちくらみが強くなり退社。病院で貧血と診断、病休になりそのまま産休にと、これは最悪な状況です。

看護師からのポイント
助産師ポイント

前者の場合、予定していた日に産休になれば、完璧ではなくても社会人としてそれなりに引き継ぎ準備もできているはずです。

問題は後者です。「1ヶ月先だと思っていたから何も準備できていないし、誰に聞いても私以外分からないこともあるのにどうしよう」となってからでは取り返しがつきません。産後復帰を考えているなおさら、悪いイメージを残さず産休には入れるよう、今から業務整理を始めて下さいね。

 

3.助産師が答える!妊娠後期に病院でよく聞かれる質問

助産師として対応した際に、妊娠後期の妊婦さんに病院でよく聞かれる質問をまとめました。

 

Q.仕事終わりに保育園に迎えにいくと、子どもが普段より甘えてきます。こんなにお腹が大きくなってきましたが、上の子を抱き抱えても大丈夫ですか?

助産師Jun
A. お腹がはる、硬くなるなどの自覚症状がなく、病院で子宮の頸管が短くなってるから注意するよう指導受けたなど、切迫早産の兆候がなければ問題ありません。

ずっと抱いて歩き回るなどは避け、できるだけ負担を減らせるよう座って抱くなどの工夫をすると良いですね。何よりまずは、お腹の赤ちゃんに少しヤキモチを焼いているお兄ちゃん、お姉ちゃんの気持ちを受けとめてあげて下さいね。

 

Q.最近体重がどんどん増えていますが、仕事中よくお腹がすきます。そんなとき、ダイエット食品を食べても大丈夫ですか?

助産師Jun
A.ダイエット食品には、添加物や偏った栄養素などが含まれていることがあります。妊娠中は摂らないことをお勧めします。妊娠中はダイエットという考え方は止め、今の体重を急激に増やさないために毎日の食事を工夫したり、疲れない程度に散歩したりしてみてはどうでしょうか。

 

Q.仕事で疲れているのになかなか夜になっても熟睡できません。どうしたらいいですか?

助産師Jun
A.妊娠後期には出産後の授乳にむけて、眠りが浅くなったり、授乳のタイミングに合わせて目覚めやすくったりするという考え方もあります。いずれにせよ、夜に胎動を感じやすく寝付けない、お腹に圧迫されて眠りにくいという悩みはよくあります。深い眠りではなくても、早めにベッドに入り7時間は横になる、朝には起きるという規則正しい生活を送ることが大切です。

 

Q.出勤前の朝は忙しくて、牛乳やゆで卵、ヨーグルトなどですませることがよくあります。乳製品の摂り過ぎは赤ちゃんがアトピーになりやすいと聞きました。控えた方がいいでしょうか。

助産師Jun
A.妊娠中に、乳製品を食べ過ぎたからアトピーになった、控えたからアトピーにならなかったという考えは正しくありません。たんぱく質をしっかりとることの方が大切です。妊娠中の食事制限はアトピーの予防には効果はない、というのが今の一般的な考えです。

 

Q.仕事中は腹帯をした方がいいと同僚に勧められましたが、腹帯は巻いた方がいいのですか?

助産師Jun
A.基本的には自分が楽なら巻く、くらいの気持ちで十分です。巻いたから赤ちゃんにとって良いと言うことも、悪いと言うこともありません。仕事中はもちろん、自宅でも絶対巻く必要はありません。腰痛が気になるなら、無理しないことが一番です。また、骨盤ベルトをしめることも効果的です。一度試してみて下さい。

まとめ

赤ちゃんに逢える日が近づくにつれ、赤ちゃんと一緒に仕事ができる時間も、残り僅かとなってきましたね。思い出してみて下さい。今まで色んな山を乗り越えここまでたどり着いたことを。そんなあなたなら、きっとこれからも登り続ける出産、育児も超えていけるはずです。

あと少し、周りの人たちに気持ちよく送りだしてもらえるよう、自分がやり切った感を持って産休に入れるよう頑張って下さい。今までと同じように、あなたを支える旦那さんやご両親、兄弟、友達、もちろん私たち医療者も皆で一緒に支えていきます。

 


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【大阪府/30代/正看護師免許/助産師免許】助産師として働きだし15年以上になりました。読んだ方が、「また明日も頑張ろう」と気持ちを後押しできるような記事が書けるよう、頑張ります。