双子妊娠のリスクとは?気を付けておきたいことやよくある質問

双子 妊娠 リスク

双子はお腹の中に赤ちゃんが2人いる状況です。

妊婦生活は一人の命を守るだけでも大変であり、二人の命となるとさらに大変な妊婦生活を想像してしまうのではないでしょうか。

今回は双子妊娠に驚き、戸惑っている妊婦さんのために、双子妊娠のリスクと注意点、よくある質問についてご紹介します。

この記事を書いた看護師

助産師・看護師jun
Junさん
・大阪府/30代
・正看護師免許
・助産師免許
看護師資格を取得し、その後、助産師資格も取得しました。助産師として働きだし15年以上になり、妊活、子育てで悩むママさんを少しでも看護師・助産師目線でサポートできる記事を執筆していきます。

1.双子妊娠のリスクと気をつけておきたいこと

双子を妊娠している妊婦のお腹とエコー写真

双子妊娠のリスクは以下の通りです。

  1. 早産のリスク
  2. 妊娠高血圧症候群のリスク
  3. 双胎間輸血症候群のリスク

それぞれ気をつけておきたいことをご紹介します。

(1)早産のリスク

双子妊娠では、約半数以上が早産になるというデータもあります。

双子妊娠の場合、早い段階でお腹が大きくなります。大きなお腹で生活することで、どうしてもお腹が張りやすくなってしまうのです。

お腹が張ることで子宮が収縮し、早産リスクが高まるのです。

早産について気を付けたいこと

お腹が張りやすいと言う自覚があれば、可能な限り休息する時間を増やす必要があります。休息して、治っている間は安心です。

休息してもお腹が張る、少し動いただけで張りを感じるなどの症状は、早産の徴候だと考えて下さい。日常的にお腹が張る場合には、入院して張り止めの点滴が必要な場合もあります。

(2)妊娠高血圧症候群のリスク

妊娠20週以降、分娩後12週までに何らかの原因により

  • 高血圧(最高血圧140mmg以上、最低血圧90mmg以上)になる場合
  • 高血圧と蛋白尿になる場合

以上のどちらかの場合を「妊娠高血圧症候群」と呼びます。全妊娠の約5%に発症する、リスクの高い病気です。

はっきりした原因は分かっていませんが、双子妊娠は妊娠高血圧症候群の発症リスクが高いことは分かっています。

妊娠高血圧症候群が重症化した場合

妊娠高血圧症候群は、重症化すると

  • 常位胎盤早期剥離(赤ちゃんが産まれる前に胎盤が剥がれてしまう病気)
  • 胎児発育不全(妊娠週数の基準値に比べて赤ちゃんが小さい状態)
  • 子癇発作(痙攣や意識障害)

などを引き起こす、命に関わる病気です。

妊娠高血圧症候群を予防するために気を付けたいこと

妊娠高血圧症候群の予防として、

  • バランス良い食事
  • ストレスをためない
  • 無理のない運動習慣

などが勧められています。

双子妊娠の場合早い時期でお腹が大きくなるため、運動不足や疲れを引き起こしやすくなります。無理なく健康的な生活を送れるよう意識するようにしましょう。

(3)双胎間輸血症候群のリスク

双子妊娠のリスクを大きく左右するのが、胎盤や羊膜(赤ちゃんを包む膜)の数です。これには、次の3通りの組み合わせがあります。

  • 1絨毛膜1羊膜(胎盤も羊膜も1個のみ)
  • 1絨毛膜2羊膜(胎盤が1個で羊膜が2個)
  • 2絨毛膜2羊膜(胎盤も羊膜も2個)

このうち、1絨毛膜1羊膜の組み合わせはリスクが最も高く、双子妊娠の約1%以下で起こります。

この状態で同じ部屋の中(羊膜)で2人のへその緒が絡み合い、どちらかに栄養が届きにくくなることを「双胎間輸血症候群」と呼びます。進行すると、死亡する事態にまで陥ります。

1絨毛膜2羊膜の場合も、栄養源は一つであるため栄養バランスに差が出るリスクはありますが、へその緒が絡み合う心配はありません。2絨毛膜2羊膜の場合は、栄養源・個室がそれぞれにあるため比較的リスクは低くなります。

双胎間輸血症候群について気をつけたいこと

胎盤や羊膜の数を知ることを「膜性診断」といい、妊娠10週ごろの早い段階で行われます。

自分の胎盤は羊膜がどうなっているか把握することは、今後のリスク管理のために非常に重要なことです。

双子の自然分娩のリスクについて

なお、双子の自然分娩のリスクは、普通の分娩で起きるリスクと大きな違いはありません。リスクが高まる、という考えで良いのではないでしょうか。

具体的には、自然分娩のリスクとして

  • 赤ちゃん同士が絡み合い、ヘソの緒が先にでてきてしまう
  • お産途中に陣痛が弱まってしまう
  • 出産後の出血が増える

などが挙げられます。

2.双子の妊娠に関するよくある質問

双子の靴を持つ妊婦

ここでは、双子の妊娠に関するよくある質問とその回答をご紹介します。

Q.双子だと、お腹が大きくなってきたら妊娠線はできやすいですか?

助産師Jun
A.妊娠線とは、妊娠後期にお腹や太もも、お尻などの皮下脂肪が分厚いところにできやすい、赤みのあるギザギザした線のことです。

原因は、急激に大きくなるお腹に皮膚の伸びがついていけず、皮膚組織が破壊されてしまうからです。

双子の場合、妊娠30週ごろには普通の妊婦さんの臨月のようなお腹に近づくため、双子の場合は通常より早い時期に妊娠線ができやすくなります

妊娠線の予防には、早い時期から保湿クリームを使ったマッサージや、乾燥予防のための保湿剤による小まめな手入れが効果的です。

Q.一卵性とか二卵性とかの違いが良く分かりません。何が違いますか?

助産師Jun
A.双子妊娠には、1個の卵子から2人になった「一卵性双胎」、2個の卵子が同時に受精し2人になった「二卵性双胎」に分かれます。

この場合、受精した卵子の数が1個であるか、2個であるかという明確な違いがあります。

1個の卵子の場合、性別や血液型、顔や体つきなどもそっくりになります。DNAも99%以上一致しますが、指紋は異なります。2個の卵子の場合は性別や血液型も異なり、顔や体つきも似ていないことが多くなります。

Q.双子だと、普通に下から産めないですか?

助産師Jun
A.双子の出産は、全例、帝王切開と決まっている病院も多いのは事実です。

双子の自然分娩は、環境や人手も2倍必要になります。夜間や休日などは十分なリスク回避ができないというのも大きな理由の一つです。

しかし、

  • 母子の経過が順調
  • 二人とも逆子ではない
  • 推定体重が1800g近くある

などの条件が揃えば、自然分娩できる病院もあります。

ただし、双子妊娠という時点で、助産院やクリニックでの管理はできません。

Q.双子だと、大きな病院に転院しないといけないですか?

助産師Jun
A.双子の出産は大きな病院でないと無理だと、一概に決めつけてしまうことはできません。

しかし前述の通り、通常よりリスクの高い出産になることが想像できます。病院としても、お母さんと2人の赤ちゃんの命を守るために万全の体制が必要であるため、突然転院となることも十分考えられます

赤ちゃんに何かあったとき、即座に対応できるNICU(新生児集中治療室)がある施設を選ぶことで、出産後赤ちゃんと離れ離れになる事態を未然に防げます。

大学病院や周産期母子センターのような大きな施設であれば、医療スタッフの人数や設備なども揃っています。まずは主治医に相談し、必要ならば早い段階での転院をお勧めします。

Q.双子の育児は里帰りしないと無理ですか?

助産師Jun
A.双子の育児は、物理的に考えると授乳も2倍、オムツ交換も2倍、沐浴も2倍、全てが倍の育児時間になります。確かに慣れるまでは大変です。

しかしはじめに2倍大変な分、繰り返すことで早く育児のコツをつかむことができ、そのうち二人いるのが当たり前という環境で双子の子育ては進んでいきます。

里帰りするか、しないかは大きな問題ではありません。大切なのは、一人で抱え込まないことです。

できなくて当たり前です。できないときは助けを求めましょう。

まとめ

双子妊娠と聞いたとき、大きな戸惑いや不安が湧いてきたのではないでしょうか。今回はそんな方のために、双子妊娠のリスクを知り、リスクを避け、疑問を解決できることを目標にご紹介しました。

しかし、どんなに気をつけていても長期入院を余儀なくされたり、赤ちゃんの成長が急に悪くなってしまったりすることもあります。

気負い過ぎずゆったりした気持ちで妊婦生活を楽しんで下さい。きっと、今の苦労が2倍の喜びに変わる日は遠くないはずです。


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ABOUTこの記事をかいた人

jun

【大阪府/30代/正看護師免許/助産師免許】助産師として働きだし15年以上になりました。読んだ方が、「また明日も頑張ろう」と気持ちを後押しできるような記事が書けるよう、頑張ります。